コミュニケーションと組織

保育士不足というのが世の中でとても言われています。そして、新卒の保育士が職場に求めているものが「職場の人間関係」といったものを重視しているようです。そして、新任の保育士が辞めていく要因の中にも「人間関係」というものが原因に上ることが多く、多くの人は職場内でのコミュニケーションにおいて問題を抱えている現状があるのです。

 

ドラッカーにおいても、組織内のコミュニケーションというのは、今日あらゆる組織において最大の関心事となっていると言っています。しかし、実際そのコミュニケーションは未知のものであると言っており、実際のところ不足していると言っています。そして、コミュニケーションは①知覚であり、②期待であり、③要求であり、④情報ではない。それどころか、コミュニケーションと情報は相反する。しかし、両社は依存関係にある。という4つの基本を紹介しています。

 

まず、1つ目の①知覚である。ということはどういうことをいうのでしょうか。それは「コミュニケーションを成立させるものは、受け手である」ということで、実際のところ、コミュニケーションの内容を発する者、すなわちコミュニケーターではないというのです。コミュニケーターは音を発するだけであって、聞くものがいなければ、コミュニケーションは成立しないのです。確かに、実際問題、聞く手に聞く気がないと話は相手に入ってこないですし、響くこともありません。相手との信頼関係があってこそ、コミュニケーションが実現するというのは至極当然であると思います。ドラッカーはコミュニケーションは受け手の言葉を使わなければ成立しないと言っています。言葉で説明しても通じない。経験にない言葉で話しかけても理解されないのです。コミュニケーションを行うには「受け手の知覚能力の範囲内か、受け手は受け止めることができるか」を考える必要があるということを言っています。当然、あらゆるものには複数の側面があり、様々な受け止められ方があるということを考えることは至難の業です。そのため、受け手が自分とは違う理解をせざるを得ないということも認識していなければいけないのです。

 

このことは保育の話を保育者や保護者などに話すときに考えることがあります。様々な子どもの研究をそのまま保育者や保護者に話してもなかなか理解できないことが多く、難しそうな顔をされることがあります。それを分かりやすく話すようにしなければ理解はされません。そのため、相手の反応や顔を見て、その理由を探ります。また、「聞き手あってのコミュニケーション」というのは忘れてはいけませんね。発信だけをしていても、コミュニケーションとは言えないのです。「会話」というのはそのやりとりであり、一方的な関わりはコミュニケーションではないという視点はよく考えておかなければいけません。特に最近の若者は会話やコミュニケーションが不得意と言われます。それはもしかすると、発信ばかりに偏っているからなのかもしれません。