9月2020

トップパフォーマー

クリスティーン氏は人に感謝の意を表すことは、礼節ある人間になるためには必要なことですが、特に「先頭に立って何か成果を上げた人だけでなく、その人を後押しするために動いた人たち、つまり、陰で会社を前進させる力となった人たちも正当に評価でき、その働きに報いることができないといけない」と言っています。組織の中で働く人たちは、自分の仕事だけでなく、他人と協力し合うための仕事にも時間を使う必要があります。ところが、「社員同士のやり取り」がどのように行われているかを把握する仕組みを持っている企業は少ないと言っています。アイオワ大学のニン・リーらの研究によると、自分の仕事とは関係ない「付加価値のなる仕事」というのは周囲の同僚たちを助けます。こういった「スター社員」はほかの社員すべてを合わせたよりも、会社の業績に大きな影響を与えると言っています。しかし、こういったスター社員の貢献を多くの企業は認識していないと言っています。

 

ある調査によると、他の社員に対して非常に協力的な人たちのうち、社内で「トップパフォーマー」だと認識されているのはわずか50%だと言います。そして、「スター」とされている社員の中には、他人にあまり協力的でない人が20%もいるという。自分の数字をあげ、手柄を立てることばかり熱心で、同僚の成功に貢献しようという人たちなのです。残りの30%の人たちこそ、真のトップパフォーマーといえるのです。

 

しかし、この真のトップパフォーマ―には、どこかで燃え尽きてしまう危険性があると言っています。なぜなら、そういった「縁の下の力もち」として優秀であるというと、それだけみんながその人に対して過剰な要求をしてしまいかねないからです。そのため、20社における企業への調査で、他人と進んで協力する姿勢のある人ほど、最終的には企業に対する帰属意識が下がり、自分のキャリアに対する満足度も低くなる傾向にあると言います。そして、非常に貴重な存在であるにもかかわらず、結局は勤務していた企業を去ってしまい。その人がやめてしまうと、持っていた知識も、人脈も、すべて失われてしまうことになります。また仮に辞めずに会社に残ったとしても、次第に無気力になり、不満を募らせ、それを同僚たちにも広めてしまう恐れがあります。

 

このように他人と協力する態度を評価できる体制になっているかを確認するべきであるが、こういった他人を助けられる人こそ最高とみなし、その努力に感謝できる会社になっているかを確認するべきだと言っています。保育施設においても、こういった「トップパフォーマー」といわれる人はいます。そういう人ほど、保育の話をよくし、保育の話を聞きに来るのも特徴として挙げらるように思います。そう思うと、「礼節」というのはリーダーには最も必要なスキルであるでしょうね。保育の業界は企業と違い、はっきりした業績が見えるわけでもなく、成果が見えにくいです。だからこそ、より人との関係性がよりはっきりしているようにも思います。「礼節」を主題にしているこのクリスティーン・ポラス氏の本は企業だけではなく、保育施設においても、同様に重要なことを挙げているように思います。

礼節あるチーム作り

クリスティーン氏は礼節あるチームを作ることも重要であると言っています。そのためにはまず、「礼節ある人を採用し、礼節がない人を避けておかなければいけない」と言っています。そして、「誤った人間を雇うくらいなら、誰も雇わない」と言っています。「無礼な言動が組織に与える損害は甚大だ」といっている内容はこれまでの中でも言われていました。いくら能力や技術、才能があっても、無礼な人間であれば、その能力で相殺できるものではないのです。これは最近の就職活動においても言えることです。以前、リクルートの方から就職活動について話を聞いたのですが、最近ではいくら優秀な大学を出ても、常識が無かったり、初歩的なやりとりができない人が多くあると言われていました。学歴や成績が先に出てしまっている教育現場において、これはある一種の弊害でもあるのでしょう。社会に出たときに、まずベースとなるコミュニケーション能力や問題解決能力がなければ、いくら優秀であってもその能力が生かされることはないのです。そのため、無礼な人間が入り込まないように細心の注意を払う必要があるとクリスティーン氏は言っています。

 

つぎに、「礼節を高めるコーチングを取り入れる必要性」を言っています。それは「自分が今、何をすればいいかを分からせてくれる。」ものであり、「すべきことを小さな段階に分け、取り組みやすくしてくれるもの」であり、「現状に満足することや慢心して基本を忘れてしまうことを決して許さないもの」を伝えることが大切になるのです。そのためには、こういったことを理解しやすくするための経営理念の共通化が求められます。そして、何よりもリーダーから率先して礼節を守ることでより効果的になるというのです。私は常々、リーダーになる人の意識は部下となる人たちに伝染するということを感じます。リーダーが熱心であれば、部下も熱心になりますし、リーダーが無礼であれば、部下も無礼になる。どこかで管理者とプレーヤーとが区別されるように見られがちですが、そこには明確に影響力が出ているように思います。これは自分自身でも戒めに思っておかなければいけないことだと思っています。チームを作るうえで、自分自身の影響力を各々が感じていなければいけないと思うのですが、それはその組織にいる人それぞれに影響力があることを知ることが「いいチーム」を作るうえで大切なことだということを感じます。これが理解できるのであれば、リーダーがコーチングをするのではなく、同等の社員同士で「私の行動で良いと思うところはどこか、反対に嫌だと思うところはどこか」といった社員同士のコーチングができるようになるのです。

 

真にいいチームというのはこういった「指摘し合える人間関係」というのが理想だと思います。そのことについてクリスティーン氏は「チーム、企業を礼節あるものにするには、まず明確な目標を立てることが必要になる。そして、基本的な動作を反復練習するなど継続的な努力が重要です。ただ、それがすべてではない。どういう言動が望ましいのか、チームや企業にいる人たちの間で意見が一致していることも必要になる。皆でよく話し合い、自分たちはどのような人間になりたいのか、どういう規範に則って行動したいのかを確認し合うようにする」そのためにも、「互いの優しい助け合いが欠かせない。誰かが規範から逸脱していることに気づいたときには、叱責するのではなく、丁寧に指摘し合えるようになるとよい」と言っています。まさに、この関係性はお互いを知っていないとできないことであり、そしてその人自身を尊重してなければできない内容です。

トップパフォーマー

クリスティーン氏は人に感謝の意を表すことは、礼節ある人間になるためには必要なことですが、特に「先頭に立って何か成果を上げた人だけでなく、その人を後押しするために動いた人たち、つまり、陰で会社を前進させる力となった人たちも正当に評価でき、その働きに報いることができないといけない」と言っています。組織の中で働く人たちは、自分の仕事だけでなく、他人と協力し合うための仕事にも時間を使う必要があります。ところが、「社員同士のやり取り」がどのように行われているかを把握する仕組みを持っている企業は少ないと言っています。アイオワ大学のニン・リーらの研究によると、自分の仕事とは関係ない「付加価値のなる仕事」というのは周囲の同僚たちを助けます。こういった「スター社員」はほかの社員すべてを合わせたよりも、会社の業績に大きな影響を与えると言っています。しかし、こういったスター社員の貢献を多くの企業は認識していないと言っています。

 

ある調査によると、他の社員に対して非常に協力的な人たちのうち、社内で「トップパフォーマー」だと認識されているのはわずか50%だと言います。そして、「スター」とされている社員の中には、他人にあまり協力的でない人が20%もいるという。自分の数字をあげ、手柄を立てることばかり熱心で、同僚の成功に貢献しようという人たちなのです。残りの30%の人たちこそ、真のトップパフォーマーといえるのです。

 

しかし、この真のトップパフォーマ―には、どこかで燃え尽きてしまう危険性があると言っています。なぜなら、そういった「縁の下の力もち」として優秀であるというと、それだけみんながその人に対して過剰な要求をしてしまいかねないからです。そのため、20社における企業への調査で、他人と進んで協力する姿勢のある人ほど、最終的には企業に対する帰属意識が下がり、自分のキャリアに対する満足度も低くなる傾向にあると言います。そして、非常に貴重な存在であるにもかかわらず、結局は勤務していた企業を去ってしまい。その人がやめてしまうと、持っていた知識も、人脈も、すべて失われてしまうことになります。また仮に辞めずに会社に残ったとしても、次第に無気力になり、不満を募らせ、それを同僚たちにも広めてしまう恐れがあります。

 

このように他人と協力する態度を評価できる体制になっているかを確認するべきであるが、こういった他人を助けられる人こそ最高とみなし、その努力に感謝できる会社になっているかを確認するべきだと言っています。保育施設においても、こういった「トップパフォーマー」といわれる人はいます。そういう人ほど、よく話をし、聞きに来るのも特徴として挙げられます。そう思うと、「礼節」というのはリーダーには最も必要でしょう。保育の業界は企業と違い、はっきりした業績が見えるわけでもなく、成果が見えにくいです。だからこそ、より人との関係性がよりはっきりしているようにも思います。「礼節」を主題にしているこのクリスティーン・ポラス氏の本は企業だけではなく、保育施設においても、同様に重要なことを挙げているように思います。

やりがい

5つ目の心得は「意義を共有する」です。職を持って働くということに対して、自分たちが「みんなを元気づけるような仕事」や「社会の役に立っている」という感覚を持つことができるようにするということです。では、誰もが他人と協力し合い、互いにとって利益になるようにしたいと思った時にどうすればいいのでしょうか。意味ある仕事をしたいと思ったときにどうしたらいいのでしょうか。クリスティーン氏は「しかし、自分が努力をしても何も変わらないと思っている人も多い」と言います。これは保育の世界でもよくあることかもしれません。どうしても、保育というのは成績もなく、成果もすぐに見えるものではなく、先の社会に出た時に初めてその成果が見えてくるものだと思います。しかし、それが保育とどう関係するのかというのは非常に関連付けにくく、見えにくいものです。

 

しかし、自分の仕事に意味を感じることができれば、もっと保育はよくなっていくでしょうし、当然、保育者自身も成長していくことだと思います。クリスティーン氏著の「THINK CIVILITY」では「自分の仕事に意味を感じる人は、会社に利益をもたらすに違いない」と言っています。そして、そのためには「誰もが、自分自身が前進していると感じられること、成果を上げていると感じられることが大事だ」と言っています。そして、このことは「社員同士の強固な深い関係を築くことと同じくらいに重要である」とも言っています。

 

さまざまな会社がこういった「社会に貢献している実感」を得るために取り組んでいますが、ジュエリーやアクセサリーを売る企業であるマイ・サン・マイ・ヒーローでは、ボスニア・ヘルツェゴヴィナやウガンダ、イタリア、カンボジアなどの貧しい女性たちの手によってつくられた商品を売り、商品から得られる収入によって、彼女たちは家族を食べさせることができるし、子供を大学に行かせることもできる。そういった彼女たちの写真や映像を見て、彼女たちの物語を読むことで、自分たちの影響を実感しています。

 

国際通貨基金(IMF)でもIMFの統計者や経済学者たちの仕事がいかに世界に大きな利益をもたらしているかを、各国の財務大臣や講演者たちに話してもらうことで、仕事を実感するとともに、IMFの人間に他に何ができると思うかも話してもらうそうです。

 

先ほども書きましたが、保育というのはこういった実感というものを感じにくいものであり、そのため、英語教育や体操教室、フラッシュカードなど、認知的な活動をすることで成果が見えやすくするところも多くあります。しかし、私は乳幼児教育において重要なことは目に見えるものだけではなく、目に見えない非認知能力のほうがよりこの時期にとって重要な意味があると思っています。しかし、そういった能力は測ることが非常に難しいものです。そして、働いている保育者自身も長いスパンで物事を考えていかなければいけません。今、その時期だけの短期的なものの見方で保育をしていくと、こういった力の見え方は薄れてしまいます。「保育者は30年後の社会を見据えて保育をしていかなければいけない」といわれたことがあります。つまり、社会も見ていかなければいけないのです。そういった意味では保育者ほど、広い視野や見通しを求められる仕事はないのかもしれません。

フィードバック

礼節のある人がもつ心得の4つ目は「フィードバック上手になる」です。フィードバックというのはたとえば「個々の社員の仕事ぶりについて、他の社員が評価をし、その評価をみんなで共有する」など、評価を全員で共有するということです。会社の状況を社員に正しく伝えていれば、社員は自分のことを価値ある存在だと感じるのです。そして、今、何が最も優先されるのか、最も重要な目的は何かといったことが誰にでもすぐに見てわかるようにするといったことです。また、フィードバックは経営者から現場に向かうものがすべてではありません。働いている人同士が互いの仕事ぶりについてフィードバックすることも大切なのです。

 

高い業績を上げているチームは平均的な業績のチームの実に6倍も肯定的なフィードバックをしているというデータがあります。また、一人一人の社員が何か良い成績を上げたことに気づけば、それを細かく指摘していくことも重要なのです。そうすることで、今の自分に自信を持つことができるし、これまでの努力を続ける気持ちにもなれるのです。自分自身が良い仕事をしている人ほど、周囲の人間のいい仕事ぶりに気づきやすいといった傾向もあります。ギャラップの調査では、マネージャーが部下の長所ばかりを指摘する企業では、全社員の67%が「自分は全力で仕事に打ち込んでいる」といっていたそうです。ところが、マネージャーが部下の短所ばかりを指摘する企業ではこの数字は31%にまで下がってしまったのです。いい仕事をすると褒められ、褒められるからまた努力をし、成果を上げていくという「ポジティブ・フィードバック」を起こすには早く褒めることが大切だと言っています。そして、称賛されたことが相手にとって意味深い部分であればあるほど、その人の後の行動に与える影響は大きくなります。否定的なフィードバックは避けられませんが、大切なのは肯定と否定どちらか一方だけがいいわけではなく、両方を組み合わせることが必要なのです。

 

そのうえで大切なことは、チームのメンバーに何をしてほしいか。そして、何を続けてほしいかを明確にしておくことです。各人がすべきことは何で、またそれをするよう促すのにどうすればいいかを把握する。把握できれば、その情報をみんなで共有することが求められます。フィードバックが真に価値あるものであれば、工夫次第でそれをさらに強力で効果的なものにすることできます。そのため、まず大事になってくるのが、受ける側になる人を良く知ることです。フィードバックを受けたとき、相手がどういう感情になるのかを理解しなくてはいけないのです。そして、フィードバックにどういう理由があるのかを受け手に十分に説明する必要があり、それは率直で正直でなくてはいけないとクリスティーン氏は言っています。フィードバックを与える際、重要なのは、常に未来に目を向けることです。最終的にはその人がこの先、前進するためにどうすればいいのかがわかるようにしなくてはいけないのです。

 

また、クリスティーン氏は「フィードバックの仕方は、ときにフィードバックの内容よりも重要な意味を持つ」といっています。たとえば、表情です。ある実験で悪い指摘を好意的なシグナル(笑顔、うなずき)で移した場合と肯定的な指摘を批判的なシグナル(顔をしかめる・目を細める)で示したのち、どちらが悪い感情を抱いたかという実験では、後者の肯定的な指摘を批判的なシグナルで受けたほうが相手に対して悪い感情を抱いたことが分かったのです。つまり、表情や伝え方によっていくら肯定的なフィードバックでも無駄になってしまったり、否定的なフィードバックでも受け入れやすくなったりするのです。

 

フィードバックというのはなかなかに伝えるのが難しいものです。相手に気づいてもらおうとこちら側が要求してばかりでは人の心は離れていってしまいます。いい仕事をしたときには相手を褒め認めなければ、新しい方向にポジティブには向かっていけません。そのために、相手を認めるということは相手の良いところを探さなくてはいけないのです。そして、相手の良いところをしっかりと伝えることも重要です。私は「褒める」ということは何も闇雲に褒めることではないと思っています。フィードバックは常に相手のためにあります。そして、相手が自信をつけることが大切です。そのためには相手を理解し、共感して話すことが重要なのでしょう。