笑顔を作る

「笑顔」が周囲の人にいい影響を及ぼすということが分かりました。そして、その笑顔の公かというのは健康にも影響があると言われています。なにより、笑顔には周囲の人たちの能力を高める力があるのです。しかし、人は焦り、不安、悩みの状況に陥ったときに果たして笑顔になれるでしょうか。なかなかに切り替えて笑顔になるというのは難しいように思います。では、どうしたら、逆境における状況になったとしても、笑顔になれるのでしょうか。どうすれば、もっと笑えることができるのでしょうか。クリスティーン氏はあるテクニックを駆使すれば、自然に笑顔になれると言っています。それは「インサイドアウト(裏返し)・アプローチ」とでも呼ぶべき方法だと言っています。

 

この方法には科学的な根拠があります。普通は、何か外からの刺激があって、それに反応して笑顔になるのだが、それとは逆のことをすると言います。つまり、外からの刺激に頼るのではなく、自分の心の中を変えるというのです。簡単な話、笑顔になる努力をすれば、気づけば意識せずとも自然と笑顔になるようになり、心の状態を変えることで、行動を変えることになるのです。そのためには自分自身がどういったときに笑顔になるかを知らなければいけません。それには大体の人が同じような時に笑顔になると言います。それは嬉しくなるようなときです。自分の子どものことや、趣味についてのこと、面白いジョークを思い出しているときなどです。そして、それが分かれば、意識的に考えればいいのです。

 

大切なのは行動そのものを意識的に変えようとしても、うまくいかないことが多いとクリスティーン氏は言っています。「笑う」という行動をしても、作り笑いになりますし、それは結局不自然なのです。心の状態を変えなければいけないということなのでしょう。クリスティーン氏は「一つ覚えておくべきなのは、笑顔には普通、他の行動の変化が伴うということだ。自然に笑うときには声の高さも変わり、他にも笑っていない時とは違うところが多数ある。だが、作り笑いをしたからといって、そうした変化を同時に意識的に起こすことは極めて難しい」というのです。結局、作り笑いはわかってしまいますし、自分自身も心から笑っていないので、良い影響にはならないのだろうということです。

 

しかし、だからといって、常に楽しいこと・うれしいことを思い出して笑うというのも難しいものです。そこで「インサイドアウト・アプローチ」は自分が苦しい状況に陥ったときにも使える方法があると言います。それは自分が置かれている状況そのものを笑えるように工夫するといいというのです。

 

笑顔になるというのは体にも周囲にもいい影響を及ぼします。しかし、大切なのはいかにして自然に笑うか、自然に笑えるような感情をどう生じさせるかだとクリスティーン氏は言います。そのために、楽しくなること、幸せになることを思い浮かべるのが良い手段であり、それが「インサイドアウト・アプローチ」だと言います。

 

「自分が苦しい状況にそのものを笑えるように工夫する」というのは、良い考えかもしれません。よく「大変すぎて笑えてきた」とか言いますが、そう考えるとこの考え方は非常にポジティブな意識に変える要素を持っています。人生の中でいろいろな苦境があり、ストレスのかかる状況が多いですが、そういった機会すら笑えるようなメンタリティがあれば、ポジティブに問題を解決できるようになりますね。そして、笑顔がない環境はネガティブな印象を持ちます。そうでない状況であっても、笑顔がないことで、ネガティブな状況に自分自身を陥らせることにも繋がるのかもしれません。いずれにしても、笑顔が共鳴することは、状況を明るくしてくれます。優れた集団ほど、笑い声が多いというのはこういった関係性がリーダーから発信され、共鳴が起きているからなのかもしれません。