ドイツの保育とコロナウィルス

これまでも紹介した通り、ドイツではオープン園を導入する保育施設が多くなってきています。しかし、現在、今世界中で猛威を振るっている新型コロナウィルスによって、保育形態も変わらざるを得ない状況になっているそうです。

 

ドイツでは2月にイタリアで発症したことを受け、3月初めには国境を閉鎖したそうです。そして、都市閉鎖(ロックダウン)になり、幼稚園などすべて閉鎖されるという事態になりました。しかし、実際のところは、子どもは来なくても職員は掃除をしにきたり、作業を市に来たりすることで出勤はしていたようです。しかし、そのうち、園での作業はなくなったことと、1.5mのソーシャルディスタンスを確保するためには会議もできないということで、ホームオフィス(日本で言うテレワーク)にし、順番で少人数の勤務になります。どこの国でも行われることは同じですね。そして、それは1ヶ月ほど続いたそうです。

 

その後、4月からインフラ関係の子どもから受け入れるという措置により、保育が徐々に再開され始めます。5月にはその年度で卒園する年長児だけ登園できるようになり、6月にはロックダウンも解かれることになりました。

 

こういった状況下において、オープン園の保育方法は後退していくことになります。これまでは、子どもたちが自由に園内を動くことができるというようにクラスがなかったのですが、新型コロナウィルスが起きてからはクラス別に変わります。50人在籍していた子どもたちは、16人~17人の3クラスの編成になりました。幼稚園と学童の行き来もできなくなり、初めは園庭も3等分にするという話まであったそうですが、それはなかなか難しく、外では全員で遊ぶということになります。ビュッフェ形式の食事の提供も無くなっているそうです。しかし、マスクに関しては表情が見えなくなるということで、保育者も子どもも園内ではマスクをつけるという措置は取っていないそうです。環境はこれまで、さまざまな場所にあったスペースを各保育室にコーナー化することになったそうです。

 

しかし、ネガティブな部分だけではなく、異年齢での少人数でのクラスは落ち着いているそうです。というのも、クラス分けは子ども同士相性のいい子、職員間も相性のいい人同士で分けたことで結果として、落ち付くことになったといいます。今後は新型コロナウィルスが落ち着くまではクラス制になるようですが、落ち着いたらもとのオープン保育に戻っていくのではないかとベルガー氏は言います。

 

新型コロナウィルスは日本に限らず、世界中で起きていますが、それにおける保育園や幼稚園の対応はやはり似ています。ドイツでは2週間スパンで新しい対応が報告され、それをガイドラインに変わっていくようです。かなりスピード感がありますね。