1月2023

必要な活動

ある保育士の先生と話をしました。その質問であったのが、クッキングの活動での選択についてで、その活動を年齢別でするか、選択制にするかということでした。そして、その先生は子どもたちのやりたいことを尊重して包丁を使うのかどうかを年少児から選択させてあげたいといった内容でした。しかし、その反面、他の職員はやはり包丁は危ないから年齢別で行った方が良いのではないかという意見が出たそうです。そのうえで、やりたくない子はやらなくてもいいというような柔軟性をもたせて、やるかどうかを選ばせてあげたほうが良いのではという意見がでました。結局、後者の年齢別での選択に決まったのですが、これについてどう思うかと意見を求められたのです。

 

そこで私はこの質問に対して、どちらの意見も考え方はわかるようと返答しました。ただ、問題はその活動のねらいや内容をどう考えるかによって取る方法を考えなければいけないと思います。そのため、何を目的とするのかという整理が必要です。この先生が考えた方法は「子どもたちに選択させる」ということです。これは「子どもたちの習熟度であったり、やりたい気持ちを尊重する」ということが大きな目的になります。比べて、後者のやり方の利点というのは「年長児なので話が伝わりやすく怪我しにくい」ということが大きな利点ではありますが、それと同時に「年長の子どもたちは包丁を使うという特別感がある」ということもあります。そして、それは「年長になったらこれができる」といった年少・年中児にとっては期待を持つ機会になります。そして、年長児に憧れるという意味合いでもあります。

 

では、デメリットとしてはどうでしょうか。「子どもたちの選択」を優先した場合、問題となるのは年少や年中児が危険にならないように配慮しなければいけないということがあるように、前提として「ルールが守れる子ども」というのが条件になってきます。後者の「年齢別」の場合は、「子どもたちのやりたい気持ちを我慢させなければいけない」というところにデメリットがあります。

 

こうった条件を踏まえて考えると、どちらもメリットがありデメリットがあることが分かります。結果、「どちらも正解で、どちらも不正解」というのが結論になります。では、そういった場合、どう考えたらいいのか、ここからが保育をする上で大切なことになってきます。

 

大切なのは、クッキングで子どもたちに何を感じてほしくて、何をすることが今必要かということを考えることが重要になってきます。何が言いたいのかというと「何が正解か」というのはその先生が「正しいと思ったこと」ではなく、「どちらの方が今の子どもたちにとって必要な活動であるのか」を考えることです。これは当たり前のことなのですが、わりと陥りがちになってしまうことが多いように思います。そうなると「活動をすること」が目的になってしまい、その活動と子どもの実態とがズレてしまうことが起きてしまうのです。そうならないためには今の子どもの状況をしっかりと見極める必要があります。子どもに目が向いていないと必要な活動も的が外れてしまうのです。

 

そのため、保育に大切なことは絵本を読むことやピアノを弾くということではなく、「子どもの状況をしっかりと見極める」ことや「子どもに共感してあげる」という力が保育士として磨いていかなければいけない力なのだと思います。