働きがい

ドラッカーは働いている人たちに働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならないと言っています。そして、そのためには①生産的な仕事、②フィードバック情報、③継続学習が不可欠であると示しています。では、それはどういったところを指すのでしょうか。

 

第一に「生産的な仕事」です。そもそも、仕事に責任を持たせようとしたときに、仕事を分析せず、プロセスを総合せず、道具や情報を設計せずに、仕事に責任を持たせようとしても無駄であるというのです。しかし、このことは独創性のスローガンには反するとドラッカーは言っています。人は速悪から解放されれば、専門家よりも優れた生産的な答えを出すという考え昔からあるというのです。しかし、独創性と言ってもそもそも、基本を知っていないと独創性のある仕事にはつながらないというのです。そして、正しい仕事の構成は直観的に知りうる代物ではないのです。そして、その基本構成を知ることで、独創性のあるものに変わってくるのです。

 

このことは保育をしているとよくわかります。実際、子どもの心理学や発達が出ているものであっても、目の前の子どもがそれ通りの発達をするとは限りません。あくまで、研究者の発表は一つの目安でしかないのです。逆に、保育者が子どもたちの姿を切り取り、そこから発達に当てはめていくというプロセスで物事を見るほうがより具体的で専門家の方々も驚く結果が出ることがあります。しかし、そのためには、根本的な子ども観を持っていないとできないことでもありますし、そういったことを見ることができる機会や行事などのあり方を見直したり、用意していなければいけないのです。こういったところが一つ目における保育機関のマネジメントと言えるのかもしれません。

 

二つ目に「フィードバック情報」です。これは成果についてのフィードバック情報を与えることを言っています。自己管理が可能でなければいけない。自らの成果についての情報が不可欠であるというのです。確かに、働いていく上で、自分がどれだけ成果としての実感を持っているかということは働きがいを見つけるにあたって重要な要素としてあるように思います。そして、それが所属観や安心感にもつながります。ここで重要なのが、それはあくまで「自己管理」ということなのだと思います。つまり、マネジメントする側から見るとそこで働く人自体が動いた成果でなければ、実感としての成果にはつながらないようにも思います。そのため、より有用なフィードバック情報を与えるためにはそこに至るまでのプロセスもしっかりと把握しておく必要があるのだと思います。

 

3つ目の「継続学習」ですが、継続学習は肉体労働と事務労働にも必要ですが、知識労働にはさらに必要な事柄であると言っています。なぜなら、知識労働が成果をあげるためには専門化しなければならないからです。つまり、他の専門分野の経験、問題、ニーズに接し、かつ自らの知識と情報を他の分野に適応できるようにしなければならない。経理、市場調査、企画、など知識労働に携わる作業者集団は、学習集団とならなければならないというのです。

 

こられの条件が働きがいのために必要であるというのです。しかし、ここにはもう一つこの条件を生かすために重要なことがあるとドラッカーは言います。