相手を見極める

コーチングにおいて「相手を見極める」ことも大切だと鈴木氏は言っています。人には苦手と感じる人がいます。そういう人に対してどう対応していけばいいのでしょうか。まず、人は自発性に基づいて行動するときに楽しさを体験します。しかし、自分が苦手と感じる人は、往々にして自分の自発的にやろうとする行動に対して選択するのを妨害する人です。

 

たとえば、自分がじっくり物事を観察し、それに関するデータを集め、ちいさな達成をコツコツ積み上げていくことの中に楽しさを見出す人であれば、「まぁ、細かいことは気にしないで、やってみよう」と性急な行動を促す上司は自分にとって、非常に大きな負荷を与えかねません。逆に、自分がまず実行してその真価を確かめようとするようなタイプだとすれば、事前のデータ収集と分析の強要は、自分の行動から精彩を奪うかもしれません。そういった苦手なタイプが、自分にとって強い影響を及ぼし得るポジションにいるほど、大きなストレスが発生します。

 

しかし、このことは逆に相手にも言えることで、「相手にとっては、自分が苦手なタイプである可能性」もあるのです。知らず知らず相手の自発的な行動を阻んでいることはないだろうか。自分のアイデアを大事にするタイプの人に対して、頭ごなしにそのアイデアを否定したり、あるいはサポートする立場で最もその能力を発揮するタイプの人に対して、全体を統率するように強く求めたりしてはいないでしょうか。

 

大切なことは、相手との関係に煮詰まりを感じているときに、その人はどんなタイプで、どう関われば新たなインターフェイス(接点)を持ち、自発的な行動を促すことができるのか。考えてみることが必要であり、「人はそれぞれ違う」という前提で相手を理解し、個別対応で、接し方を変える必要があるのです。

 

人と関わることに課題を感じるときに相手との関わりを見直すにあたっては、まずは相手のタイプを見極めて、相手に合わせた動きをすることで主体性を見出す必要があるのですね。ただ、問題となってくるのはそういった人の特性を踏まえて、どう仕事や集団の中で生きる人材として行動してもらうのか、この対応は非常に難しいように感じます。ただ、その土台として信頼関係はあるので、そういった信頼関係を作るために相手を見極める必要があるのだろうと思います。

 

また、鈴木氏はこういった相手を見極めるにあたって、対人関係上の特徴を「4つのタイプ」に分けて紹介しています。