関わりから指差し

6か月頃になると乳児はますます環境に関心を持つようになります。ときには見慣れたパートナーへの関心だけでなく、環境の中の他の事物へ関心を写していきます。乳児のコミュニケーションへの注意や関心を高めるのに、パートナーはリズムのある発声をしたり、突然変化させたり、終わりにしたりします。歌や手遊びや身体を動かすリズミカルなおきまりのやりとりやゲームは社会的なルールや文法ルールの獲得に結び付いていくと言われています。こういった養育者とのやり取りや関わりは今後の社会的なルールや文法のルールの獲得に結び付くのですね。よく幼稚園と保育園では子どもたちの育ちは違うと言われることがあります。保育園の子どもの方がたくましいと言われることも多くあります。それはもしかすると預けられる期間の違いかもしれません。低年齢での周囲の環境から大きく影響があるのかもしれません。

 

8-12ヶ月頃になると、乳児は他者の注意を理解し、心が意図を持っていることを理解しているような行動をします。子どもは自分の方から、物を渡したり、見せびらかして、他者の注意を引きつける行為を繰り返したり、他者が他のものを見ているときに他者の視線を追ったり(追随凝視)、見知らぬものやヒトに遭遇したときに近づくべきか避けるべきかを決めるのに、養育者や他の人の反応や表情をモニターして情報を集めたり(社会的参照)、じらしたりして(teasing)、関心を他者へ広げていきます。子どもからの意図的な話題を含むコミュニケーションが行われ、大人、子ども、物の三項関係が成立する段階です。社会的相互作用、共同注意、依頼行動といった非言語的コミュニケーションスキルはこの段階に達するといいます。

 

そして、こういった発達を受けて12-15ヶ月頃になると乳児はターゲットへ直接注意を向けようとして指差しを行うようになります。原命令の指差しと原叙述の指差しの2種類があると言っています。原命令の指差しは、要求の指差しとも言われ、たとえば、自分では取れない玩具が欲しいときに、それが置いてある玩具棚の方を指さし、助力を求める身振りです。原叙述の指差しは、たとえば、珍しいものを見つけたときに一緒に大人に見てほしくて、指差しをして、他者の注意を事物へ向けようとするものです。

 

どちらの指差しもターゲットをさし、パートナーの顔を振り返り、パートナーが身振りや指されているターゲットに注意をしているかどうかをチェックします。この指差しという行為ですが、この行為は言葉と共通する記号的な働きもあると言っています。指によって、さすものとさされるものとに分化されます。

 

では、それはどういったところにあるのでしょうか。