アクティブラーニングの評価

今、アクティブラーニングが教育の中で非常に取り上げられています。そして、齋藤氏がいうようにアクティブラーニングはあくまで「学習内容」ではなく、「学習方法」なのです。では、アクティブラーニングの「深い学び」「主体的な学び」「対話的な学び」というのはどのように学校現場では評価してくことになるのでしょうか。

 

これについては2020年改定の新学習指導要領では、「知識・理解」「技能」「思考・判断・表現」「関心・意欲・態度」の四点を主な観点として評価することが予定されてます。しかし、この観点から行う評価の基準というのは非常に曖昧です。基準が曖昧だと子どもたちの目標も曖昧になると齋藤氏は言っています。そのため、「挙手の回数」や「ノートの取り方」といった本来の趣旨ではない表面的な評価に陥るのではないかという懸念が生まれてきます。

 

そこで新しい学力で重要なのは「学習のプロセスの質」であると齋藤氏は言っています。悔過よりもプロセスを大切にするというのです。例に挙げているのが「活動カード」でどのように活動したのかを積極的に記入してるかを調べ、どれだけ知的活動を積極的にしたのかを見る方法です。こうすることで、例えば、逆上がりができるか否かを結果で評価すると、最初からできる子の評価は高くなりますが、苦労した子は低くなります。しかし、そのプロセスを評価すると、なかなかできない子どもこそ、何がいけないから逆上がりができないのかを分析し、そこで分かった自分の課題を解決しようと知る学習プロセスがうまれる。それを意欲・関心・問題解決能力があるとして評価すれば、逆上がりができたかどうかは関係なく、知的探求そのものを評価することになります。最初からできた子にも、なぜ自分ができたのかを考えさせ、より高いレベルにチャレンジさせることで探求心が育まれることになります。

 

従来のペーパーテストでは、知識が確実に身についているかはかり、自分の知識の習得度を客観的に把握するのに有効である。一方で、レポート作成には時間をかけて自分の考えを深めることが求められます。書いていく中で、自分の考えが整理されていないことに気づいたり、より調べるべき点が見えてきたりします。そもそも自分なりに考えた独自の視点がなければいいレポートにならないと齋藤氏は言います。このテストの変容の最たるものが大学入試センター試験の廃止です。これまでのマークシート方式だけではなく、記述式の問題も導入されてきます。伝統的な学力入試スタイルから、知識を活用して自ら問題を解決する力があるか否かを問う入試への変化の流れが起きているのです。そのため、大学もどういった意識のある学生が入学してほしいのか方針が求められます。どのような資質を持った学生に入学してほしいのか、大学としてどのような学習を積み、学位を与えるにはどういった資質が備わっているべきかという方針を示すことも求められます。そのため、大学入試の変革は、大学教育の変革とも連動します。

 

このように、学習活動の変革はテストの変革も起きていきます。これは以前紹介したアンドレアス・シュライヒャー氏も同様のことを話していました。これがこれからの子どもたちの生きる学校現場なのです。こういったことを通して、では保育はどう変わっていかなければいけないのでしょうか。私はアクティブラーニングの関わりはすでに乳幼児教育でも起きていると考えています。「深い学び」「主体的な学び」「対話的な学び」はすでに保育でも起きています。問題はこういった子どもたちの日々の中で起きている学びを現場にいる保育者がどれほど理解しているかが重要であると思います。ただ、遊んでいるのではなく、そこにある学びをどう意図的に求め、考え環境を作っていくのか、これがこれからの保育現場位においてもより重要性が増していくのではないかと考えています。