ハラスメントとは

昨今、「○○ハラスメント」ということがよくニュースに出てきます。しかも、その種類は年々増えてきてもいます。また、その「ハラスメント」によって、命を絶つことにもつながることにもなり、非常に問題視されていることとしても注目されます。武神氏はこのハラスメントが上司と部下とのこれまでのコミュニケーションが通用しなくったもう一つの要因だと指摘しています。

 

一般的にハラスメントはいじめや相手の嫌がることをすることを指します。職場においてのハラスメントは、職場内での優位を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的身体的苦痛を与える行為とされています。最近でも、小学校の先生が激辛カレーを無理やり食べさせられるというパワーハラスメントがニュースに取り上げられていましたが、こういったパワーハラスメントが自殺につながることもあります。よくあるのが、こういったパワーハラスメントを「かわいがり」や「冗談」「洒落」といったように言うことがありますが、一番の問題は上司が部下に対して、自分たちの行為が部下を自殺にまで追い込んだことやこういった気持ちを引き起こすという考えすらなかったというのが問題で、ましてや自殺まで起こすとは思っていないからこそできるということです。

 

武神氏はこういった職場のパワハラの問題は「思いやり」や「道徳心」の欠如として片づけられないほど、その根は深いと考えています。そして、なぜこういった多くの企業においてハラスメントが無くならないのか。その背景や理由を、年間1000人の働く人と面接を行っている立場から3つ紹介しています。

 

その一つ目がハラスメント加害者側の「無知」「無自覚」「想像力の欠如」からくるもの。というのも、そもそも私たちは「いじめはダメなこと」と習ってきていますし、それが道徳的にいけないことだということは知っています。しかしなぜ、そういったことが起きるのでしょうか。それは他人にしてはいけないことを教わっていないから知らない(無知)があったり、自分の行為がハラスメントに該当することに気が付いていない(無自覚)であったり、自分はそのような指導を受けてきたが、ハラスメントとは感じなかったので同じ指導をしているという(想像力の欠如)といったいろいろない人がいる現状があるのではないかということです。

 

この一つ目の理由はよくあることです。そして、意識していないとこいういったことはなかなか気づくことができないことです。これは子どもに対してしても、言えるように思います。大人は子どもに対して「あなたのためを思って」と様々なことを要求することがあります。しかし、その反面、「自分だったらやらないけれども」と子どもに自分の願望を押し付けたり、「できないことをできるように」と子ども自身が望んでいないことを進めることもあります。それ自体に子どもの意志は何にもかかわらずです。これも一つにパワーハラスメントといえるのではないでしょうか。決して、このことは大人同士だけの話ではないように思います。すべては相手の立場や目線に立つ必要性があるのでしょうし、相手をどう尊重するのかということが一つの重要な要素になってくるのだと思います。そして、こういったことは職場にも保育にも生きる意識ですね。

 

では、二つ目の理由はどういったところにあるのでしょうか。