ストレスとリーダー

保育の仕事をしていると、様々な人と関わる必要が出てきます。それは先輩後輩、同僚、保護者、もちろん、子どもも例外ではありません。ちょっとした世代の違いだけでも関わり方が違っていたります。最近ではメンタルヘルスが注目され、労働環境にあって、ストレスがかかる中で、うつ病や自殺者といった社会問題に対応することが言われています。

 

では、こういったメンタルヘルスが必要な人が多くいる組織ではどういったことが問題になっているのでしょうか。なぜ、ストレスに対してメンタルヘルス不調になる人が多くなってきているのでしょうか。それは環境なのか、人材のほうに問題があるのでしょうか。このことに対して、一般社団法人 日本ストレスチェック協会 代表理事で医師・医学博士でもある、武神健之さんは産業医として働いてきた中で感じることがあったそうです。様々な環境の中で、同じような労働環境にあってもメンタルヘルス不調になる人もいれば、そうならない人がいます。一般的にはうつ病などメンタルヘルス不調の人ばかりが注目されますが、多くの場合、同じ環境にいても8~9割の型は元気で健康なのです。そこで武神氏は様々な環境の中でメンタルヘルス不調にならない人たち、つまり元気な人たちに共通することはどこにあるのかに注目します。

 

ここで初めに理解しておかなければいけないのは、メンタルヘルス不調というのは「病気」であるということです。つまり、100人いればそのうち何人かが、高血圧や高脂血症や糖尿病の人がいるのがふつうであるように、メンタルヘルス不調も病気なので、いくらケアをしていても一定の割合でみられるのは当然だというのです。そのため、メンタルヘルス不調者ゼロを目指す必要はないのです。

 

しかし、もし1つの部署で年に2人以上メンタルヘルス不調者が出たとすると、そういう部署には共通点があるそうです。その共通点とは①部門の業務が組織全体の仕事の流れの中で、何らかのひずみになっている。もしくは大きな負荷がかかっているということ。②その部署にメンタルヘルスに理解のない、あるいはコミュニケーションに難のある上司がいるということのどちらかに共通点がたいていあるそうです。

 

そのため、いいチームは「みる・きく・はなす」技術を自然に使っているそうです。つまり、コミュニケーションを取りやすく、風通しが良い組織関係があることはメンタルヘルスが不調にならないことにつながるのですね。そして、そういった組織ではマネジメントをするリーダーは「みる・きく・はなす」のうち何か1つはできていて、そのおかげでコミュニケーションが円滑に行われ、上司部下の関係やチームメンバー間の関係がうまくいっているという傾向があると武神氏は言います。