無くならない仕事と無くなる仕事

前回のブログにも紹介しましたが、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授の計算によって「あと10~20年で、49%の職業が機会に代替される可能性がある」(2015)という研究発表がされています。様々なニュースの中でAIによって人間の仕事が奪われるのではないかということが言われています。最近では「へんなホテル」が取り上げられ、そこはロボットによって、ポーターから接客までロボットが行うようなホテルまで出てきています。オズボーン氏の発表は2015年でしたが、はじめに大きな反響を呼んだのは第3次AIブームが来た後の2013年にオックスフォード大学のフレイ博士が発表した論文です。

 

この論文では702の仕事に対して、あと10~20年でAIに奪われる確率が独自の指標で推定されていました。AIに奪われる仕事Top30には電話販売員や銀行の窓口係など、マニュアルにのっとった比較的単純な業務の仕事が多く含まれています。こういったルールに基づいた処理はAIの得意とするところです。一方でAIに奪われない仕事Top30にはカウンセラーや心理学者などのヒトの心に関わる仕事や医師や教師など人と対話が必要な仕事が多く含まれています。こういった分野はまだまだAIが苦手とするところです。

 

これまでの「ニュートン 人工知能のすべて」(2019)に紹介されているAIの未来についてはいわれていることは新しい職業が生まれるということです。18世紀にはじまった産業革命では同じようにたくさんの仕事が機械に代替されましたが、同時に機会を作ったり、整備したりするなどの新たな仕事も生まれました。現在の“AI革命”も産業革命時と同じように仕事の総量は変わらないという研究者もいるといっています。一方、やはり多くの仕事が減り、社会構造が大きく変わると考える研究者もいます。つまり、まだ、人とAIとの関係においてはっきりと共生できるかということはわからないのです。

 

万能と思われているAIでもできないことはたくさんあり、AIにとって代わられることがない職業はどうやら「人と関わる」といったことはAIには苦手な分野なのでしょう。それと同時に、これまでなかった仕事がこれから生まれてくるというのも、実際のところはそのとおりなのだと思います。AIやロボットと人の共生というのは遠い未来ではなく、近い将来起こりうる時代になってくるのです。おそらく、現在幼稚園やこども園に来ている子どもたちは、まさにその時代に社会で働き、AIを使う側の人間にならなければいけない人材であるということはよく考えていなければいけません。つまり、「人と関われ」「新しい仕事につけるだけの発想力と柔軟性」をもった人材でなければ、活躍できる社会ではないのでしょう。私たちは先の社会を知ったうえで、保育を考える必要があるということをよくかんがえなければいけませんね。