洋服と保育

先日、株式会社e-CHANNELが運営する保育者向けWEBメディア「ほいくis(ほいくいず)」が全国の保育者を対象に「保育園での仕事着」についてのアンケートを公式SNSで実施しました。そこでの保育士115人に「Q、園でNGな服装は?」という質問を聞いたところ、1位が「フード付きパーカー」、2位が「ジャージ」、3位が「デニム・ジーンズ」、4位が「スウェット」、5位が「キャラクターもの」、6位が「スカート」という結果が出たそうです。

 

そして、「保育をするのに適切な服装かどうかでNGな服装が決まっている」という傾向が見られました。1位の「フード付きパーカー(43票)」については、後ろから引っ張られた際に首が閉まってしまう可能性があるという安全上の配慮が主な理由です。2位の「ジャージ(41票)」については、「保育園の家庭的な雰囲気にそぐわない」など、園独自の理由で禁止されているケースもあるそうです。いずれにしても、これから園で働くという方は、は予め服装のルールを確認しておくことが必要となりそうです。

 

また、ここでは「保育者の皆さんが揃えなければならない仕事着は、保育活動中に着用する洋服だけではありません。毎日着用するエプロン、入園式や卒園式など正装が必要な行事の際に着用するスーツ、夏場のプール活動で着用する水着など、場面に応じてさまざまな仕事着が必要となります。」とあり、やはり保育者とはいえ「仕事着」という概念があるということが言えることが分かります。

 

私の園では基本的に保育中に着る服は自由にしています。また、エプロンに関しても、気なければいけないということは言っていません。では、海外ではどうでしょうか。以前、ドイツやオランダといった国の保育者の様子を見たときに驚いたのが、保育者は実に普段着で保育をしていました。人によってはハイヒールを履いている人さえいたのです。そういった着用する服について質問すると、「子どもを見ることになぜ動きやすい服がいるのですか?」と質問を返されました。どうやら、そこに「子どもを見る」という概念がどうやら日本とは少し違うものであるようなことが見えてきます。海外においては子どもが自ら動くことが多く、配膳にとっても、食事においても、子どもが自分で自分のことをします。日本のように誰かが用意するということも少ない、遊びにおいても、日本のように子どもと一緒に遊ぶということは非常にマレな姿でした。だから、「保育に適した」という考えも日本とは違うのでしょう。

 

どちらがいいとか、どちらが正解かということではないのですが、海外と日本とでは子どもとの距離感が大きく違うということはこれまで海外の保育を見ていく中で感じるところです。そして、それは保育をするときの衣服においても、その考えは影響しているということが分かります。