コーチングにおいて、相手の強みを生かすということが言われています。そして、その強みを生かしていくためには相手がどういったタイプかを知らなければいけません。そして、そのタイプは4つに分類されるということが分かりました。つまり、大きく分けて4つのタイプには別のアプローチが必要になってくるのです。コーチングを始めたばかりの新米コーチにありがちなのが「数人のクライアントに対して、同じスタイルのコーチングを強要してしまうこと」があると言います。確かにコーチングの大きな目的はクライアントの目標達成にあります。しかし、目標達成に向けてどのようなサポートを必要としているかはクライアントそれぞれ違いますし、クライアントのその時の状態によっても変わってきます。「ただ励ましてほしいとき」「鋭く突っ込んでほしいとき」「笑い話で盛り上がりたいとき」など様々あります。
こういった時にどうしたらいいのでしょうか。このとき大切になってくるのが「クライアントのリクエストを聞くこと」です。「どういったコーチングをもとめていますか?」と聞いてみるのもいいと鈴木氏は言います。相手が求めるサポートを聞いてみることでコーチングの道筋が見えてくるというのです。かえってその方が、「あいつのためだ」と思いこみで相手を苦しくさせてしまうよりはずっと「あいつ」にとっては“ため”になるのです。
また、サポートするにあたって「アクノレッジメント」も必要になってきます。このアクノレッジメントとは「相手をほめたり承認したりすること」を指します。このアクノレッジメントはどういったスタンスに立って相手に伝えるかによって2種類に分類されます。
一つ目は「You」のスタンスです。「よくやった」「やればできるじゃないか」といったように、「あなたはこうだ」という相手に伝えることです。こういった承認を受けることは決していやな気はしませんが、気を付けなければいけないのは、このタイプの承認は「それ自体が評価に捉えられてしまう可能性がある」ということがあります。この場合、受け手があなたのことを尊敬していて、自分ことを評価するに値する人だと思っていれば別ですが、そうでない場合、このタイプの承認は相手にとって受け取りにくいものになるかもしれません。このような承認を受けたとき、「そうでもないんですけど」なんていう言葉が口をついたりしていないかを考えてみるといいと言います。
2つ目は相手が自分に対してどういう影響を与えたのかを言葉にする「I」のスタンスです。「君が頑張っているのを見ていると、僕もやる気が高まるよ」といったり、「今日の君のプレゼンは安心して見ていられる」といったように、相手の姿から自分がどう感じたかを伝えることです。「信頼しているよ」「任せたよ」といった言葉もこのタイプです。つまり、相手の評価ではなく、「こちらはそう思っている」という意思を伝えるのです。
承認するということをとっても、様々なアプローチがあるということが分かります。確かに受け取り方によっては「評価」と捉えられたり、「承認」と捉えれるかで大きくその受け止め方は変わってきます。振り返ってみるとこれまでも「You」の立場で相手に伝えることは多かったかもしれません。見方や伝え方のスタンスを変えることは相手の受け止め方も大きく変わってくるのですね。
2021年1月14日 5:00 PM |
カテゴリー:日々思うこと |
投稿者名:Tomoki Murahashi
人にはそれぞれ4つのタイプがあるということを前回紹介しました。そのうえで、そのタイプを活かし、かつ強みにするような力にしていくのがコーチングの腕の見せ所です。鈴木氏は「名選手、名コーチにあらず」という言葉を紹介しています。いくら現役のときにいいプレーヤーだったとしても、後進の選手が育つとは限りません。なぜなのか、名選手が名コーチになりにくい理由に、自分のやり方を後進の選手たちが受け継ぐことを求めがちになってしまうことがあると言います。かえって、現役時代あまりいい成績を残せなかったコーチの方が、自分のやり方にこだわりを持たない分だけ、選手個々に合わせた育成方法を考え出したりするそうです。
このことはビジネスであっても同様で、上司がかつて成功を遂げたやり方を部下に強要しがちになると鈴木氏は言っています。ある保険会社で成績が伸びないYさんにどうコーチングしていけばいいのかといったテーマで話をしたとき、そこの所長はYさんに対して「最終的にどれだけ自分の熱い思いをお客さんに伝えられるかだと思うんですよ。あいつはどうもそこのところが弱いんですね。自分自身の壁を崩せないんですよ」といっていたようです。しかし、この“熱く保険を売る”というのは所長のやり方であって、このことが必ずしもYさんの目指すべき営業マンの在り方であるとは限らないと鈴木氏は言います。なぜなら、タイプで言うと所長はプロモーターであり、Yさんはどうやらアナライザーのようだからです。アナライザータイプは分析力に優れ、論理的に話を進めていくのは得意ですが、感情を表現したり、“ノリ”で相手を巻き込んでいくことは得意ではないのです。
つまり、この場合。所長はYさんに対して、タイプの違う関わりを求めていたのです。Yさんを活かしていくためにはYさんの「アナライザー」としての強みを生かした営業を求め、生かしてあげるべきなのです。それはYさんに自分の強みを気付かせることでもあるのかもしれません。このように「タイプ分けは相手の強みを知り、どのポイントを中心に彼らを伸ばしてあげればいいかを理解する切り口を与えてくれる」と鈴木氏は言います。
自分の経験値ややり方はいくら自分にとってはやりやすく、成果の出やすい経験であったとしても、それを相手に強要したところで、それが合うタイプなのかどうかは当然別問題であり、成功するとも限らないのです。大切なのは「相手のやり方をどう個別対応して、相手の強みを見つけて伸ばしてあげるべきなのかだ」と鈴木氏は言っています。
なかなか相手を尊重するというのは難しいことです。ましてや、相手が自分とはタイプが違うとどういった結果になるかはなおのこと心配になります。だからこそ、相手のタイプを知り予測することが重要であるのでしょう。よくこういったコーチングの本を読んでいると相手が「働きやすい」ようにということが言われます。これは一歩間違えると「なぁなぁ」な関係に勘違いされることもあります。「楽しむ」と「ふざける」のが違うように、「働きやすい」と「なぁなぁ」も違います。この環境作りにこそコーチングの意味があると思います。この「塩梅」を探すのがやはり難しいと思っているのは、コントロールをしようとしているからなのでしょうか。
2021年1月13日 5:00 PM |
カテゴリー:日々思うこと |
投稿者名:Tomoki Murahashi
鈴木氏はコーチングの中で、「対人関係上の特徴の切り口」を4つのタイプに分けています。
その一つ目は「コントローラー・タイプ」です。このタイプは行動的で、自分が思った通りに物事を進めることを好みます。他人から指図されるのを何よりも嫌います。物言いは単刀直入に、時に他人から攻撃的であると言われることもあります。このタイプの人に対しては、こちら側でコントロールしないようにすることが大切です。話をするときは結論から、そして、相手の攻撃性に惑わされないようにする必要があると言います。
次に「プロモーター・タイプ」です。このタイプは、自分のオリジナルなアイデアを大切にし、人と一緒に活気のあることをするのを好みます。自分ではよく話しますが、人の話はあまり聞きません。自分のアイデアに対して非常に自信を持っているため、それを却下するような否定的なアプローチをしないことが重要です。独創性を発揮できる自由な環境を与えることが、能力を発揮することにつながります。
3つ目は「アナライザー・タイプ」行動に際して多くの情報を集め、分析し、計画を立てます。物事を客観的に捉えるのが得意で、小さな達成をこつこつと積み上げていきます。大きな変化を要求せず、彼らの変化のペースに歩調を合わせることが大切です。人と関わるときも慎重で、あまり感情を外側に出さない。無理やり自分の気持ちを言うように仕向けるのは逆効果です。
4つ目は「サポーター・タイプ」。他者を援助することを好み、協力関係を大事にします。周りの人の気持ちの変化に敏感で、気配り上手。自分がしたことを認められたいという欲求が強いので、十分な評価を与える必要があります。一方で周囲の期待に応えようとするあまり、自分本来の願望を見失うことがある。なにを望んでいるのか聞いてあげると、信頼関係が深まります。
ただ、このタイプ分けは「あの人はこのタイプだからこう関わればいい」というマニュアルではないと言います。まずは自分のタイプを知り、いろいろなタイプの人とどう関われば、お互いのいい部分を最大限に活用できるかを考えてみようというのです。
これらのカテゴリーを見ていても、バチっとはまる人はいないと思います。あくまで「傾向」というだけで、問題はこういった傾向を含めて、どう関わっていけばいいのかというある程度の指標があることで、お互いのいい部分をすり合わせていく必要があるのでしょうね。そして、これは人に当てはめるだけではなく、自分自身にも当てはめなければいけません。私は、「人を変えるには自分から」と思っていますし、「人を作るのは環境の雰囲気」と思っています。そのそれぞれのひとが輝ける環境作りというのはあまりにもきれいごとかもしれません。しかし、そういった目的をもって環境を作っていく必要は大きくあるように思います。今の自分の立場は割と、自分のタイプにあった立場に入れていると思います。そのため、当然しんどいことも多いですが、やりがいを感じています。そのタイプにあった環境作りというのはこういった一つの事例やタイプがあることで見つけやすくなりますね。
2021年1月12日 5:00 PM |
カテゴリー:日々思うこと |
投稿者名:Tomoki Murahashi
コーチングにおいて「相手を見極める」ことも大切だと鈴木氏は言っています。人には苦手と感じる人がいます。そういう人に対してどう対応していけばいいのでしょうか。まず、人は自発性に基づいて行動するときに楽しさを体験します。しかし、自分が苦手と感じる人は、往々にして自分の自発的にやろうとする行動に対して選択するのを妨害する人です。
たとえば、自分がじっくり物事を観察し、それに関するデータを集め、ちいさな達成をコツコツ積み上げていくことの中に楽しさを見出す人であれば、「まぁ、細かいことは気にしないで、やってみよう」と性急な行動を促す上司は自分にとって、非常に大きな負荷を与えかねません。逆に、自分がまず実行してその真価を確かめようとするようなタイプだとすれば、事前のデータ収集と分析の強要は、自分の行動から精彩を奪うかもしれません。そういった苦手なタイプが、自分にとって強い影響を及ぼし得るポジションにいるほど、大きなストレスが発生します。
しかし、このことは逆に相手にも言えることで、「相手にとっては、自分が苦手なタイプである可能性」もあるのです。知らず知らず相手の自発的な行動を阻んでいることはないだろうか。自分のアイデアを大事にするタイプの人に対して、頭ごなしにそのアイデアを否定したり、あるいはサポートする立場で最もその能力を発揮するタイプの人に対して、全体を統率するように強く求めたりしてはいないでしょうか。
大切なことは、相手との関係に煮詰まりを感じているときに、その人はどんなタイプで、どう関われば新たなインターフェイス(接点)を持ち、自発的な行動を促すことができるのか。考えてみることが必要であり、「人はそれぞれ違う」という前提で相手を理解し、個別対応で、接し方を変える必要があるのです。
人と関わることに課題を感じるときに相手との関わりを見直すにあたっては、まずは相手のタイプを見極めて、相手に合わせた動きをすることで主体性を見出す必要があるのですね。ただ、問題となってくるのはそういった人の特性を踏まえて、どう仕事や集団の中で生きる人材として行動してもらうのか、この対応は非常に難しいように感じます。ただ、その土台として信頼関係はあるので、そういった信頼関係を作るために相手を見極める必要があるのだろうと思います。
また、鈴木氏はこういった相手を見極めるにあたって、対人関係上の特徴を「4つのタイプ」に分けて紹介しています。
2021年1月11日 5:00 PM |
カテゴリー:日々思うこと |
投稿者名:Tomoki Murahashi
相手から言葉を引き出すことにおいては「あいづち」は非常に重要であると鈴木氏は言います。あいづち一つで相手に対して話したいと思うか、話しにくいと思うかを人は感じるというのです。いくらいい質問で、こちらが意気揚々と答えようとしても、その相槌が「はあ」や「ふ~ん」と答えられるとそれ以上話したくは無くなるのではないかと言います。しらず、こういったあいづちは会話の中で起こっているかもしれません。どれくらい普段からあいづちを打っているか意識してみてほしいと言います。
では、あいづちを打つにあたり、どういったことを意識すべきなのでしょうか。鈴木氏は5つの観点を言っています。①あいづちを打つときの声のトーン ②声の大きさ ③顔の表情 ④タイミング ⑤言葉それ自体の選択(うんうん、はいはい、へ~ などなど)
あいづち一つで人はたくさん話してみようと思えば、話す気を無くしてしまうこともあるのです。そのうえ、あいづちはほとんど無意識に打っていることが多くあります。まずは、自分がどんなあいづちを打っているか客観的な情報に触れてみてほしいと言います。たとえば、テープやボイスレコーダーで録音することも一つの方法でしょう。まずは、一度自分を振り返ってみてほしいと言っています。
確かに、あいづちというのは相手をその気にもさせれば、話す気も失わせるなと思います。時に沈黙という選択肢もあいづちに入るのだろうと思います。そして、あいづちは相手に主導権があることの表明でもあります。こういったやりとりは相手に対する礼儀でもあるのでしょうね。
また、人から信頼されるには相手に自分の気持ちを伝えるというのも大切なキーワードになると鈴木氏は言っています。鈴木氏は上司は、自分の部下にドンドン自分の気持ちを伝えたほうがいいと言っています。それは「人が人に対して防衛を解くのは、何よりも相手の気持ちに触れたとき」だからだと言っています。
アメリカの弁護士 ゲーリー・スペンスは「議論に負けない法」の中で、何百という依頼人の弁護に立ち、一度も負けたこともない弁護士はどんな人なのだろうと見られた時、「毎回毎回、逃げ出したくなるような不安な気持ちを、正直に彼らに伝えるだけ」と言ったそうです。そうすることで自分は信頼を獲得するのだと。ある外資系コンサルティング会社のコンサルタントに鈴木氏がコーチングを教えていた時に、TさんとSさんという二人のコーチング風景を見て、Tさんの方が、相手からたくさんのことを答えていたそうです。TさんがSさんと著しく違ったのは、Tさんは相手が何か言うたびに、「それに対する自分の気持ちを挟み込んでいた」のです。「いいですねぇ、僕まで嬉しくなりますよ」とか「そんなことあるんですか、驚いちゃうな」といったようにです。
人の話を聞くときに、自分の内側に意識を向けてみてください。と鈴木氏は言います。そこになんらかの「反応」を見つけたら、それを言葉にして相手に伝えてみてほしいというのです。そうすることで予想以上に相手は乗って話をしてくれるというのです。
私は相手の話を聞くのがあまり得意ではなく、話したくなる方なので、こういったことは非常に参考になります。つい、相手の是非を判断してしまうのですが、そうではなく、こちらの感情を話していく方が、相手に考えさせる「遊び」ができるのでしょうね。こういった会話の中にある「遊び」を大切にすることは非常に重要な気がします。
2021年1月10日 5:00 PM |
カテゴリー:日々思うこと |
投稿者名:Tomoki Murahashi
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