何かを感じようとする人
SNSというものは、悪いとらわれ方をすることが多いですが、一方で非常に有用なツールでもあります。流れてくるリール動画も「切り抜き」として誤解を生むようなものもあれば、自己啓発のように名言を切り抜いたものも出てきます。割と私はそういった人の名言に感銘を受けることも多々あり、そのことをふと書いてみたくなりました。
その一つが何かの番組でイチロー選手が話していたことです。そのインタビューでイチロー選手は「よく言われるんです。『負けているチームにリーダーが必要じゃないか』と。もちろんいた方がいいです。でも、もっと大事なのは何かを感じようとする人がいるかです。優秀なリーダーがいても、それを見て何かを感じる人間が周りにいなかったら、何もならない。チームとして。たとえリーダーがいなくても、何かから何かを常に感じようとする姿勢のひとが集まった方が実はチームとしてはうまく機能する。そして、こいつが中心かなっていう人が出てくる。出てこなかったらそれまでです。安易にこいつをキャプテンかなとってやるとうまくいかないんですよ。残念ながらやりがちですけど。」という言葉でした。私もキャプテンであったり、この業界だと『主任』かと思うのですが、安易に上から決めるべきではないと思います。
これに近いことをダニエル・ゴールマン著の「EQ リーダーシップ」では「共鳴」と言う表し方をしています。「一人ひとりのメンバーが共感を形成し、目標に向かって心を一つにしたとき、チームには共鳴が起こる」と話しています。共鳴が起きると「チームが一つにまとまり、組織のために人々が結束するとき、そこに働いている人々が結びつけるのは、全員が共有する感情です。メンバーが互いに心を許しあってアイデアを共有し、学び合い、協調して決断をくだし、仕事を成し遂げていく。」と言っていました。まさにイチロー選手が話している言葉に近いことですね。
そこで重要になってくるのが「共感」というものです。イチロー選手の表し方でいうと「何かを感じる人」という表現になるのでしょう。藤森メソッド(見守る保育)の『保育の起源』では「『子どもにとって善い』と思って職員は保育をしているのを信じること。そして、その気持ちにリーダーは共感して、その気持ちを実現していくための方法を、理念に戻ってもう一度、一緒に考えることが重要です。」とありました。
たとえ、「これは・・」と思う提案があっても、それを『子供のために行おう』としていることは信じる視点は大切です。その上で、未熟な部分を『足していく』といった理念を通してその活動をより豊かにできる方法をともに考えることが重要なのでしょう。単純に『善い悪い』をジャッジするのではなく、足りないところを気づかせたり、よくしていくことが、共鳴を起こせるリーダーです。言葉にすると簡単ですが、なかなか難しく、私はまだそういったマインドコンロールするのが難しいです。ただ、イチロー選手の動画を見ると改めてリーダーシップを考えさせられました。
2025年9月4日 3:41 PM | カテゴリー:組織論 | 投稿者名:Tomoki Murahashi