教育改革

最近、日本の学校教育が大きな転換期を迎えているようです。「令和の日本型学校教育」というものが2021年の中央教育審議会で話し合われたことが話題になっています。特にその中でも「個別最適な学び」と「協働的な学び」というのが中心に据えられています。乳幼児教育において、これらの学校教育というものは決して無縁ではいられません。幼稚園や保育園で過ごした子どもたちは当然社会に出る前に義務教育に進学していきます。ということは、乳幼児教育も学校教育と同様にどのようなことが行われ、どういった教育の連携が取れるのかということが課題になってきます。

 

今回は『「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を目指して』といった奈須正裕氏と伏木久始氏の著書から考えていきたいと思います。今回の教育改革において、その必要性はどこにあるのかというと総論には「社会の変化が加速度を増し、複雑で予測困難となってきている中、子どもたちの資質・能力を確実に育成する必要があり、新学習指導要領の着実な実施が重要である」とあります。

 

つまり、これからのVUCAといわれる不安定・不確実な世の中において、それに適した人材の育成のために「新学習要領の着実な実施」が重要と言っています。またこのことにおいてはICTの使用による少人数による指導体制の整備によってこれまでの「個に応じた指導」を整理し「個別最適化」されるものと、これまでの班活動などの「協働的な学び」を一体的な充実を目指しているようです。そのため、別の新しいことを始めるのではなく、新学習指導要領を行うことが目的としてあり、指導側からの視点から学習者側に変化を起こす「一人ひとりの子どもを主語にする学校教育」に変化していくと言われています。

 

また、このことの実現において、これまでの小学校の学習指導要領にあった「地域や学校の実態及び児童の心身の発達の段階や特性を十分考慮して」から「児童の心身の発達の段階や特性及び学校や地域の実態を考慮して」に変化し、微妙な文言の変化であるがこれまでの「学校の実態」が先に合ったところから「児童の心身の発達」が先に出たことで、児童からの視点にフォーカスが当たっているようです。

 

私からすると、学校の教科が中心となる学校教育で「心身の発達の段階や特性」というものに注視するというのはなかなか難しいようにも思いますが、それらの子どもたちの理解度というものをICTを利用し、最適化しようとするのが目的となるのでしょう。

 

では、このことについて「一人ひとりの児童の目指す姿」というのはどういうものとして考えられているのでしょうか?