とある芸人の言葉

あるテレビ番組を見ていると江頭2:50さんの言葉が取り上げられていました。それは代々木アニメーション学院の2022年の入学式で言った言葉で、印象に残っている言葉で取り上げられていました。そこには「簡単に手に入らないから夢なんです。それに打ち勝ってつかむのが夢なんです。やりたいと思わないならやらなくていい。でもやりたいと思ったらあきらめずやってください」という言葉でした。そして、「それでもつらいことがあったら、嫌なことがあったら俺を見ろ。そして、笑え。悩むのがばかばかしくなるから」という言葉で締められていました。

 

私は先の言葉よりも後の「いやなことがあったら俺を見ろ、そして笑え」という言葉にとても胸を打たれました。それだけ覚悟をもってやっている人の言葉は美しい。江頭2:50という人が芸風としてはあまり褒められたものではないと思いますが、しかし、それに救われている人は多いことだと思います。私は彼のことは嫌いではないですが、YouTubeを見ていると芸風とは打って変わって、真面目な彼の姿勢はとても感じるところがあります。

 

私は「夢」という言葉はとても大切なことだと思っています。これは保育においても同様で、人の生きる原動力として「夢」は大切にしたいことだと思います。以前、ある小学校の道徳の時間を見学することがありました。それももう十数年も前の話ですが、当時イチロー選手がメジャーで活躍していた時代でその話を取り上げ、教壇に立っていた先生はおそらく「イチロー選手は努力したからメジャーで活躍できた。だから、努力をすることは大切だ」という事を生徒に結論として伝えたいことだったのだろうと思います。しかし、その後、当時ついていっていた私の師匠である先生に言われたのが「イチロー選手は努力したから、メジャーで一流になれたのだろうか?私は一流になろうという思いがあったから努力したんだろうと思う」という話を府とされました。

 

私はその言葉にハッとしました。確かにその通りです。「何のために努力をしたのか」です。手段と目的が逆になっていたのです。闇雲に努力をしてもそれが生かされるものでなければいけないのです。よく勉強についても「選択肢が増えるから」といわれます。しかし、これは「夢」や「目標」がないから起きる言葉ではないでしょうか。これはあまりにも悲しい事実でもあるように思います。子どもたちには夢をもって、進学してほしいと思います。自分はなにがやりたいのかを追い求めてほしいと思います。大人が行う大きな仕事は、子どもたちを操作することではなく、子どもたちの夢を見つける支援やそれを実現できるような支援をしてあげることなのかもしれません。そして、江頭2:50さんのようにつらいときは俺を見ろというように「つらいときはいつでも戻っておいで」と温かく手を広げ見守ってあげる存在として大人はあるべきなのでしょうね。