認知的発達における段階

ピアジェは同化と調整、体制化の過程は基本的にどの時期においても変わらないものであ有、常にその変化を繰り返していく中で連続的な発達の変化を生み出していくと言っています。一方で、ピアジェは認知的発達における段階発達を6段階に分けて唱えています。

 

第1段階は、感覚運動段階です。ピアジェは言語や模倣などン象徴機能が出現する18カ月以前においては、子どもは心の中で思考することができないと考えました。その頃の子どもは触ることやつかむこと、行動そのものが思考であると捉え、体を使った操作によって、知識を構築し、認識を発達させていくとしました。この第一段階においては、生まれ持った身体の反射を用いて、環境を取り込む同化を行い、そこで起きた経験を通して、これまでの自分の持っていた認識と新しい経験とをすり合わせる調整を行っているというのです。

 

第2段階では学習や経験による適応という側面が入ってくると考えました。この段階においては、新しい行動の獲得のために、その行動を乳児が反復するという事実が重要であるとしています。試して、定着するまで行動を反復するというのですね、

 

第3段階では自分の行動が外界にもたらした興味のある結果を反復する行動である、第二次循環反応が始まると考えました。この段階は外部の対象に働きかけるものの、偶然に発見した新しい結果をあくまで反復することが目的であり、新しい状況や問題に対応することはできないとしています。自分の行動がどのように外部に作用するのかを試してみて、それを反復し、獲得していくということをする段階ということですね。

 

第4段階では異なった2つの枠組みを組み合わせて、主たる目的という枠組みと、従たる手段という枠組みを区分し、新しい行動を生みだし、新しい結果を意図的に得ることができるようになると考えました。第4段階ではこれまでの反復という行動意図ではなく、目的と手段を行使するということができるようになるというのですね。

 

第5段階では、様々な手段を用いて目的を達成するようになるとあります。この段階になると自己とは離れた、より客観的な対象を構築することができるようになるというのです。これまでの一人称ではなく、2人称以上の対象によっても、目的や手段を用いることができるようになるということなのでしょう。

 

第6段階になると、象徴的機能が発生します。それは意味されるものと意味するものが分離し、後者が前夜を言語や心像、ごっこ遊びなどで象徴することができるようになるということ、つまり「心」の中で考えることができるようになったということです。

 

こういった認知の段階を経ることで子どもは認知的発達をしているとピアジェは言います。つまり、これらの段階は不変的なものであり、どの段階においても、子どもたちは発達の中で必ずとおる段階だとしています。