退職代行

 

最近、退職代行という言葉を初めて聞きました。そういった業態があるということ自体にびっくりしているのですが、最近の若い子たちにとってこういった代行サービスを使って退職することが当たり前になっているそうです。その内容を調べてみると、退職代行を行っている会社の中には弁護士が行っている場合もあり、それもあってか仮に会社に訴えられても対応できたり、会社からの電話や訪問に関しても無視して対応を行うということも行っているようです。

 

また、その背景には職場のパワハラ体質、退職の意思を伝えると退職まで不当な扱いを受けるかもといった心配、退職交渉が気まずい、職場の人と関わりたくない、引き留めを断るのが面倒といった理由が多く、一番多いのが有休消化や退職金などの権利をこうししてやめたいということだそうです。これらの理由を見ているとその人の性格やパーソナリティ的なものもある一方で、会社の体質により、こういった代行サービスを利用しないとやめづらい状況もあるということが伺えます。それぞれの理由を見ていくと一概に退職代行を使うということが悪いこととは思いませんが、やはり人とのつながりの中である社会において、お互いが納得しないような形での離職が起きてしまうというのは残念に思います。

 

それと同時に、こういった退職代行サービスが使われる時代的な背景もこれによって見えてきます。有給休暇や退職金などの権利を行使したいという理由からは逆にいうとそれらが職場によって保障されないということが見えてきます。また、パワハラや退職を伝えると不当な扱いを受けるというのは、そういった職場が未だにあるということが問題になってきます。しかし、その反面、引き留めるのを断るのが面倒や退職交渉が気まずいというのは、その人自身のコミュニケーション能力によるものに感じます。

 

何にしても会社は社員のため、逆に社員は会社のため、保育園や幼稚園でいうと、施設側は職員のため、職員は園のためといったような双方の思いやりが必要とされるのでしょうね。こういったことは私自身も悩むところです。園の理念に向かうことの必要性と職員の方々の理解やモチベーション、これまでのようなトップダウン形式の風土ではなく、個々人が一つの目標に向かって、集団全員で共通理解し、共有していく風土というのはこれからの社会においては非常に重要になってくるのだろうと思います。