そらぐみ(5歳児) こどもかいぎ:お泊まり保育とデイキャンプどっちにする?

今年度から、withコロナという観点からお泊まり保育も可という判断になり、どちらにするか子どもたちに委ねることにしました。

4月。

1年間の見通しを持てるよう年間行事・年間の予定を子どもたちと確認しました。

「7月はデイキャンプかお泊まり保育かまた決めようね」と話すと、「えー!!絶対お泊まりなんかしたくない!!」「絶対デイキャンプでいい!」「お泊まりってママ泊まらない?いやや~」「お姉ちゃんもデイキャンプしてたからデイキャンプ!」という声がクラスの大半を占めていました。

新しい環境・担任になり、また、デイキャンプの様子しか記憶にない子どもたちにとっては、お泊まり保育への抵抗感が大きく、当然の反応だったと思います。

日が経つにつれて・・・

「やっぱお泊まり保育できそう!だってそら組やから!!」

「お泊まり保育ってママはおらんのやろ?じゃあ先生は?」「先生はおるんか、よかった~」

「お風呂とかどうするん?」「じゃあ温泉行ったらいいんちゃう?」「楽しそう!やっぱり私もお泊まり保育がいい」「あ、でも先生女湯やん。俺らどうしたらいいん~」「R先生(男の先生)に頼んだらいいやん!」「いいな、それ」

と子どもたちの中でお泊まり保育に対する会話が広がってきていました。

6月。

早速決めよう!と思ったのですが・・・そもそもお泊まり保育とデイキャンプについて子どもたちも担任も“泊まるか泊まらないか”くらいの漠然としたものしか知らなかったため、まずは情報を集めることにしました。

「グループに分かれたら?」「A先生(昨年度のそらぐみ担任)にも聞いたらよさそう」「園長先生も聞いてみる?」と、そらぐみの担任だった先生や長い年数勤めている先生にグループごとで聞きに行くことにしました。

“紙とペンは無し”“耳でしっかり聞いてくる”“聞いた内容をクラスに伝える”という、話をよく聞き適切に伝達するということもねらいとして取り組みました。

正直少し不安な気持ちもありましたが、担任は後からこっそり見に行くことも一切せず完全に任せてみました。担任の心配と裏腹に、しっかりと聞いて帰って伝達することや、「○○先生いいですか」「お泊まり保育のこと教えてください」「ありがとうございました」と挨拶もできており、感心しました。

情報も得たところでようやく本題に突入!

『こどもかいぎ』

輪になって、大人が仲立ちとなりながらみんなで話し合いました。

→22名「お泊まり保育がいい!」理由:いっぱい遊べるから・夜も遊べるから・温泉たのしみやからなど

→4名「デイキャンプがいい!お泊まり保育は不安!」理由:頭洗えないから・花火したいから(お泊まりは出来ないと思っていたようです)・ママがいないとちょっと怖いからなど

意見を言い合った後、欠席の2名の意見、反対派の4名の意見も大切にしたいこと・単純に多数決だけでは決めたくないこと・全員が納得して決めたいことを子どもに伝えました。

今までの話し合い活動は自分の意見を言うことはできるものの相手の意見に耳を傾けることが苦手な姿が多く、担任保育者からの提案である全員が納得して決めること等は難易度が高いかと心配でした。

しかし、今回の話し合いでは、少人数派の意見にもしっかりと耳を傾けたり、「じゃあ僕が頭洗ってあげるよ」「先生もおるし大丈夫」・「好きな友だちと隣に寝たら大丈夫」「大丈夫って言ってあげるよ」など解決案を提示したりすることができており、この2か月で大きな成長を感じました。

『4年ぶりのお泊まり保育決定!!』

友だち同士での励まし合いもあり、最終的には満場一致で28名全員がお泊まり保育をしたいということになりました。

お泊まり保育と決まると・・・「よっしゃー!」「めっちゃたのしみ!!」「みんながんばろう!」と話し

自然と円陣をして「えいえいおー!!」と掛け声をかける団結する姿がありました👀✨

『お泊まり保育の3つのねらい』

☆1つ目:友だちの大切さに気付く

一番はやはり、友だちの存在の大切さに気づくということかと考えます。

今まで保護者から離れて一晩を過ごすということを経験したことのない子どもたちも大勢いますし、いつも通っているこども園で泊まるということも初めてのことになります。

「すこし寂しい、でも友だちと一緒に泊まるから楽しみ。」という不安と期待が混じった気持ちにもなります。不安な気持ちも子どもたち同士で支え合い励まし合い、乗り越えていくことで、気持ちの面でも大きな成長に繋がると考えます。“友だちがいれば安心”“大好きな友だちとなら頑張れる”と友達が助け合える存在・信頼できる存在になればと思いますし、自分たちだけでそういった不安を乗り越えることで強い心にも育っていけばと思います。

☆2つ目:第三の世界に乗り出す

家庭または保育園がいつもの居場所だった子どもたちですが、そら組の年齢になると「連れ立ち」という姿が見られ始めます。小学生ですと、友だち同士で誘い合って外で遊ぶという姿も見られますが、これは「家庭」「保育園(小学校)」とは違う第三の世界に乗り出す姿です。つまり子どもと子どもだけの世界です。子どもが成長する過程で、そして自立する過程で大切なシーンであると言えます。お泊まり保育で外泊をするということは、それと同質の意義があるのだと思います。

☆3つ目:自分たちで考えて実行する

お泊まり保育で大事なことは、スケジュール(二日間の過ごし方)を自分たちで決めること。保育者に指示されて過ごすのではなく、あらかじめ子ども同士で相談して決めたスケジュールに従って自分たちで生活をしていくことです。

家庭での準備も子どもたち自身でしてほしいと願っています。お泊まり保育の荷造りは子ども自身にさせてあげてください。スケジュールも人任せでなく自分たちで展開できるようにさせてあげたいと思います。子どもたちが自分だけでできることはたくさんあると思います。そんな子どもたちの姿を暖かい目で見守っていただければ幸いです。

4年ぶりのお泊まり保育。

子どもたちも私たちも初めての体験です。一緒に考えながら進めていきたいと思います♩