まもなく開園!『そらぐみ動物王国』NO、4  5歳児そらぐみ

『そらぐみどうぶつ王国』の製作過程も今回で最終回となりました。

最後を飾るのは迫力大!の大型鳥類【モモイロペリカン】です。

神戸どうぶつ王国で見た『ペリカンショー』。目と鼻の先ほどの距離を、を大きなペリカンが水しぶきを上げながら何度も飛び交う様子に釘付けだった子どもたち。動物園作りの際にも「ペリカンがいいよな」「めっちゃかっこよかったもん」「とんでるところ、すごかった」「みずがバシャバシャってなってたよね」と目をキラキラさせながら話していました。

さて早速ペリカンチームは“翼”の大きさ調べに取り掛かります。

「おっ!ペリカンみんなのれるくらいはねがおおきい!」「でもちょっとはみでてる?」「からだもおおきいよ」と測ったこと、長さを眼でみた事で大きさを体感し驚いていました。

「おおきいはねとからだやからな」「これ、つかえそう!」と発泡スチロールの箱を使い、からだの部分を作っていきます。

「できてきた」「でも、なんかしかくいね」「うーん、からだこんなにしかくくないけど」「もうすこしまるいかな」

できてきた体の形が想像していたようにはならず…その時、隣で紙おむつを使って丸みを出すレッサーパンダチームの姿に気が付き「わっ!かみおむつはかせてる」「でも、あんなにおおきいオムツないよ~」そこで「確かに大きい紙オムツはないけど、新聞紙でオムツみたいにできないかな?」と提案してみました。

丸めた新聞紙をくっつけて「ちょっとおしりっぽくなってきた」

大きな翼は「ダンボールでつくりたい」と考えていたペリカンチーム。しかし段ボールはどうしても重たくなってしまうかなと思い、保育者から“スチレンボード”で作ることを提案しました。

“飛んでるところを作りたい”という思いから、翼の大きさや形はこだわって作ります。「どれくらいのおおきさかな」「りょうほう(両翼)おなじおおきさじゃないと、とべなくなっちゃうからそろえよう」大きさを考え、何度も線を引き直し、見比べたり、重ねてみたりしながら大きな4枚の翼の土台が出来上がりました。

「はねは、ぴんくいろ。」「あと、くろもある。」「がようしがいいかな?」「マーカーペンでぬる?」と一番身近な素材から考えはじめ、大きな障子紙を桃色と黒に染めることにしました。

「めっちゃつめたーい」「きれいないろになった」

羽を作るための大きな紙が用意できました。染めた紙が乾くと、羽の形に切る作業。

「おおきいはねとちいさいはねがいるよね。」「めっちゃいっぱいきらないと。」「かさねてきったら、たくさんできるよ。」「どう?」「あ、こうしたらいいのか。」切る中でどうしたら一度にたくさんできるのかという知恵に気付く姿がありました。

大量の羽は1枚づつ両面テープで貼っていきます。

「さいしょは、くろいはねからはっていこう。」「はしっこがながくて、だんだんみじかくなってる。」「じゃあ、そうやってならべてはろう。」

写真を見ながら1枚ずつコツコツと貼る姿は、まるで職人さんのよう。表ができると「うらがわもつくりたい!」「しゃしんみたら、おもてもうらもはねがあった」と話す姿がありもう一度、障子紙を染めて、切って…表も裏も貼り4枚の翼を作り上げることができました。

丸みをつけた、体部分にも桃色の障子紙を糊付けし、首や頭は段ボールや新聞紙を使って形作りました。 大きな体の土台と翼ができてくると、さあいよいよ翼の取り付けです。

「ボンドとかでくっつける?」「ガムテープがいい?」「でもガムテープがみえたらいやじゃない?」そこで、園芸用の棒を刺すことを提案すると「これを、さすの?」「これが“ほね”ってことやな。」「そっか。ほねがあったら、かたいしおちないかも。」と話します。

棒を繋げて長さを調整し、体に刺しました。翼の取付作業をする姿はまるで飛行機の整備員さんのよう。大きな翼を両面テープや白いガムテープを使って固定しました。「うわーめっちゃすごい、ほんものみたいや!」 ようやく完成が近づいてきた、モモイロペリカン。ところが、ここにきて難題が『のど袋』でした。

「なんかい、やってもふくらまない。」「なんで?」「くちばしのおおきさにあわせてきってるのに…」

そう、クチバシの長さに合わせて“三角”に切っても膨らむ喉袋の形にはなかなかならなかったのです。

「のどぶくろって、ふくらむよね」「さかなめっちゃはいるんやで」写真を見て「うわ、ほんまや」「のどぶくろっておおきいんやなぁ」「あ、まるくふくらんでるんじゃないん?」そこから“丸く”かたどって、作っていきました。「お、こんなかんじやな」「どうやってはろうかな」

“膨らむ”ということにこだわる姿から、切れ込みを入れて膨らませる方法を伝えてみました。切れ込みを入れると抑えながら糊付け。「なにこれ、めっちゃむずかしいやん」「ここをくっつけるんか」「くっつくんかな」友だちと協力して、抑えながら塗って、貼って、苦労の末“のど袋”ができあがりました。「いやー、のどぶくろつくるのがいちばんたいへんやったわ~」とのことでした。

顔も「めのまわりはな、ももいろやねん。」「それからしろいんやで。」と微調整が続きこうしてようやく、顔が完成し、足も取り付けて2羽の等身大のペリカンが生まれました!

2羽のペリカンは「オスとメスにしようよ」「オスとメスがいないとたまごがうまれないもんね」と考えて“ペリーくん”“モモちゃん”と名付けられました。(繁殖のことまで考えているなんて、本当に立派な飼育員さんたちです!)そんな2羽は仲良くそらぐみで飛んでいますので、ご覧になってくださいね。2羽のプロフィ―ルもとても楽しいですのでゆっくり見てみてください♪

10月26日の遠足以降、興味関心を継続させて取り組んできたそらぐみさん。製作完了までの1か月半の間、毎日時間をみつけてそれぞれのグループで取り組んできました。そんな子どもたちの姿からみんなの中に“粘り強さ”“きめ細やかさ”“探求心”“協力し合う力”“周りを見て学ぶ力”“友だちのことを考え共に取り組む力”“やり抜く力”などたくさんの力が育ったことを感じています。

こうした経験が、みんながこの先の人生を歩んでいく上での“思考力”(かしこさ)“想像力”“創造力”“コミュニケーション力”など何かが『できる』だけではない“生きていく力”の土台となっていくのではと願っています。

そらぐみどうぶつ王国は、もう間もなく開園です。

皆様のご来場を心よりお待ちしております♪