あおむしおおきくなーれ にじぐみ(3歳児)

6月のはじめににじぐみのお部屋にモンシロチョウの卵がやってきました。

小さな小さな卵。飼育ケースを覗いては

「どこにたまごがあるの?」

「みえないね~」

と一生懸命探していました。

土日の休みをはさんで登園したある日、あおむしが生まれていることを発見する姿がありました。

「あ、あおむしがおる」

「ここにも、うごいてる」

まだまだ小さなあおむし。じっと見つめる姿はみんな真剣です。

もうひとつ、気が付いたことがありました。

「この、いっぱいおちてるのはなに?」

「これは、うんち?」

「めっちゃある」

「なんで、こんなにいっぱいうんちするのかな」

次から次へと”不思議”が生まれてきます。

さらに数日たつと…

「わ、はっぱがボロボロになってる」

「こんなにたべちゃったの?」

「あおむしがたべたから、あなだらけやん」

ちいさなちいさなあおむしが、たくさんキャベツを食べることにびっくり。

そして、

「うんちもめっちゃいっぱい」

「なんでうんちがでるの?」

「なんでうんちがくろとみどりなん?」

「それは、みどりのはっぱをたべたからやろ」

「あおむしおおきくなってきた」

と、会話が膨らんでいました。

そしてさらに1週間ほど経つと、ついにあおむしが蛹になったことを発見しました。

「これってさなぎやで」

「ねぇねぇなんでくっついてるのかな?」

「ちょうちょになるのかな?」

「いつ、ちょうちょになるかな?」

「もう、はっぱたべないの?」

「なんでたべないの?」

「ねてるからたべないんじゃない?」

と羽化を心待ちにしながら会話を膨らませる姿があります。

生き物に触れてじっくり観察する中でたくさんの気づきや疑問が生まれて友達との会話が膨らんでいます。“なんでうんちがでるの?”“葉っぱがボロボロになっちゃった”など今の年齢ならではの表現もたくさん見られています。クラスの会話の中で大切にしている事は、子どもの言葉に丁寧に耳を傾け共感することと、すぐに答えを出そうとしないことです。“なんでいっぱいうんちがでるの?”“なんでさなぎになるとはっぱをたべないの?”など、子どもの問い掛けに「なんでだろう」「どうしてと思う?」と答えると、子どもは自分なりに考えようとしたり、友達に聞いたり、絵本を開いて見たりしています。この過程が子どもが自分なりに考える力の土台となり、実体験を通して育んでほしいと考えています。