ふうせんモンスター おおきくなあれ! ほしぐみ

もうすぐ運動会。例年、4歳児クラスでパラバルーンを行うのがかわにしひよしの伝統になっています。

その為、「ほしぐみになったらパラバルーンやろ?」と子どもたちも楽しみにしていました。

今は、パラバルーンの技“パラシュート”に苦戦中の子どもたち。

子どもたちはパラシュートを“ふうせんモンスター”と呼んでいます。

きっかけは絵本「カラーモンスター」。

自分の気持ちが分からないぐちゃぐちゃ色のモンスターが、気持ちを色分けして整理していくお話です。

このモンスターの姿が、自己発揮と自己抑制の狭間で葛藤している4歳児の子どもたちの姿と重なり、みんなで一緒に気持ちを整理していこうねと願いを込めて取り組んできました。

パラバルーンでは「気持ちをひとつにしないと」がキーワードに。

そしてみんなの気持ちをたくさん集めて作ろう!という意味を込めて、パラシュートを“ふうせんモンスター”と呼ぶことにしました。

大きく広がり、高く膨れ上がるのがパラバルーンの華ですが、現実は・・「先生大きくなるって言うけど、全然大きくならへんやん」 「重たいなあ、めっちゃ大変や」となかなか思うように膨らみません。

「どうしたら大きくなるやろうね…そらぐみさん(昨年ほしぐみの時にパラバルーンを経験しています)に聞いてみる?」と私が提案すると、次の日…

ある子が昨年卒園したお兄ちゃんに技のコツを聞いてきてくれました。

「おにいちゃんが、膨らます時にはばんざーいって手挙げて、真ん中まで進んだらいいって言ってた!」

早速、「やってみようか!」と練習を繰り返すと、

「わあああああ!!!」 「今のめっちゃ大きかった!!!!」

今まで作ってきた、ふうせんモンスターの中で一番大きく膨らませることができました。

子どもたちもパラバルーンを持っている手の感触から、その大きさを感じたようでした。

その日の振り返りでは写真を見比べながら、「なんで大きくなったと思う?」と子どもたちと考えてみました。

「思い切りばんざーーいってしたから!」「みんなが頑張ろうって思ってやったから!」「みんながぎゅー-って近づいてる!」と担任が気付いてほしいと願っていた言葉がでてきました。

「そうだね、みんなで力を合わせたらもっと大きくなるかもしれないね」と伝えると、「明日やってみよ!」と前向きな子どもたちの言葉と姿が見られ、私たち担任も子どもたちの成長を実感し、手ごたえを感じました。

今は、運動会の練習やリハーサルを通して「みんなに見られるのが恥ずかしい」と、周りを意識できるようになったからこその壁にぶつかっている子どもの姿が見られています。

私たち担任は、何よりも子どもたちが勇気をだして伝えてくれた気持ちを受け止めたいと思う反面、ほしぐみみんなでやり遂げたいという思いがあり、

保護者の方からは、「その一歩を乗り越えてほしい、やってよかったという体験をしてほしい」という言葉を頂きました。

誰もが経験したことのある気持ちであると考え、クラスでも子どもたちと言葉を交わし合いながら、より良い方法を見つけられるよう共に挑んでいます。

又、毎日の振り返りを通して、できなかったことを考え練習するのでなく、できたことを伝え合い共に喜ぶことで“一緒にするってたのしい”という経験と気持ちの共有ができればと願っています。

緊張して立ち止まってしまっても、失敗して泣いてしまっても、一生懸命挑戦しようする子どもたちの勇気や気持ちを大切にしていきたいですね。

子どもたちと話し合って決めた、『気持ちをひとつに』を合言葉に、引き続き取り組んでいきたいと思います。