にこにこ園長のあなろぐツイッター2022 No.34 卒園式・終業式「みなさん、おめでとう!」

先日、第64回卒園式が晴れやかに終了しました。小学校入学のこどもたち、そして転園のおともだち、異動の先生も、それぞれの新しい場所でのご活躍を祈っています。お元気で!

さて、毎年の卒園式では、卒園児の保護者代表の方にお言葉を頂戴しています。今年度は、・・くんのお父様にお願いしましたが、当日までにもってきて下さった下書きを読んで、感謝と驚きでいっぱいになりました。というのは、3年あまりのコロナの日々を詳しくふり返っていただいていたからです。読みながら、「あーそうだった」の連続。私たち園の職員が忘れていたようなことまでしたためてくださっていました。時間の関係で、半分近くに縮めていただいたものの、そのままボツにしてしまうのはあまりに惜しく、ご本人の承諾を得て、ご紹介させていただくことにしました。このご紹介を、今年度ラストの園長だよりに代えさせていただこうと思います。マスクのない日常が早く普通になりますよう。ありがとうございました。

誠に僭越ながら本日、卒園式を迎えました園児たちの保護者を代表いたしまして、一言ご挨拶をさせていただきます。

柔らかな日差しと桜の蕾が春の訪れを告げる頃となりました。今日のこの佳き日に、心温まる卒園式を挙行していただき、心より御礼申し上げます。

また、・・小学校・・校長先生をはじめ、来賓の皆様におかれましては、お忙しい中、ご臨席を賜り、誠にありがとうございます。

想えば、三年前、世の中がパンデミックへの不安に包まれ、コロナ禍が始まろうかとしている頃。子どもたちは真新しい制服に身を包み、「分散入園資料受取会」に出席しました。満開の桜が咲き誇るのに、近くの閑散とした公園で、慣れないマスクをつけて撮影した記念写真が残っています。幼稚園生活の始まりはいつになることか予想もつかないまま、元気いっぱいなのにステイホーム。家族で息を潜めて家に閉じこもるような生活が続き、外ではマスクや消毒液を求める大行列に不安に駆られる日々でした。

そんな時。この茅渟の浦幼稚園から、世界中で争奪戦となっているマスクを備蓄品等からかき集めて、全園児に公平に配布してくださるというご連絡がありました。まだその当時珍しかった布製の子ども用抗ウイルスマスクまでご用意下さったこと、驚きとともに大変助かり、このような苦難においても子どもたちを守り、園をあげて共に乗り越えようとしてくださるお心遣いに、親として大きな勇気をいただいたことを覚えています。

その後、無事にこの素晴らしい景色を背景に青空入園式を開催してくださった頃には、もう初夏の日差しで、ピカピカの制服とベレー帽にうっすら汗を滲ませながら待望の幼稚園生活が始まりました。

そして、感染症予防対策の為に色々と制限の多い中、推進されているのびのび教育の言葉通り、子どもたちの五感を刺激する様々な取り組みに、子どもは毎日楽しく通うことができました。はじめの頃は、子どもが家庭から離れてどのように過ごしているのか、泣いてご迷惑をおかけしているのではないかと心配に思うこともありましたが、休みの日に公園へ行くと、自分から靴と靴下を脱ぎ、「裸足保育!」と言いながら走り回る姿、パンダグループの迎えに少し早く行くと、「お迎えが早すぎる!」と文句を言う姿に、本当に楽しく安心して過ごさせていただいていることがよく伝わってきました。

お誕生日会ではお花のかんむりに羨望のマナコになって自分の誕生日を心待ちにし、七夕祭では初めて将来の夢について考え短冊に託し、クリスマスには、本物のサンタさんが来てくれたことを大喜びし、珍しく明日は幼稚園に行きたくない!と泣いた翌日は節分で、鬼が来るのではとおののいていたことを知りましたが、帰宅後は笑顔で豆まきの話を聞くことができました。

園バスの機動力を活かして、園外保育、栗拾いやお芋堀り、人形劇鑑賞や雪遊びなど、友だちと一緒に様々な外の世界を見る経験も沢山させてもらいました。

運動会でのダンス、たんぽぽ組での花かっぱの衣装がどの子も最高に可愛いらしく、ゆり組でのよさこいでは少しかっこいい動きで鳴子を慣らし、さくら組の逆上がりと組体操では練習を重ねて大きく成長していく過程も含めての感動を見ることができました。コロナ禍の為に参加できない祖父母たちにはドローンを使ったライブ配信で見られるような工夫を凝らし、また本年度は一日目の運動会後に場所を移動してメリケンパークでの茅渟の浦学園65周年イベント!友だちと一緒に電車やバスに乗ったり、ダンスをしたり、大きなシャボン玉やサプライズ花火を見せてもらって大興奮の夜を楽しませてもらいました。そして翌日はまた運動会。職員の皆様方はさぞかし体力的に大変だったのではと思います。しかし、このように新しいものを取り入れ、全力で子どもたちを楽しませ、びっくりさせるような、理事長先生をはじめとする職員の方々のアグレッシブな行動力には親子共々本当に感嘆しきりでした。

音楽会では、感染症予防対策の中でも中止にせず、うはらホールという場所に移動して決行してくださいました。例年通りでも大変な行事の準備に加えて、このような新しい取り組みを実行するにあたって、先生方は大変な企画会議や事前準備に多大なお時間を使われたことと思います。音楽会の当日も、先生方が園バスに沢山の楽器を積んで、うはらホールと幼稚園を何往復もされているのを拝見して、どこまでも頭が下がる思いでした。

生活発表会の前には、連日連夜遅くまで、大道具や衣装の制作、ピアノの練習をされている先生方のお姿には申し訳なくなる程で、そのおかげで当日の子どもたちの素敵な晴れ舞台が用意されていることを痛感しました。

また、外部講師の先生も招聘くださって、本格的なリトミックや体操、茶道に触れさせていただいたり、系列園の渦が森幼稚園との対抗リレー大会やドッジボール大会などを通して仲間と協力して頑張ることの楽しさを教えていただきました。何もかも子どもたちにとって大変貴重な経験となったことと思います。

加えまして、人の親となってまだ二年や三年のひよっこ保護者で分からないことだらけだった私たちの日々の心配事に、先生方が温かく相談に乗ってくださり、ご助言や時には愚痴まで聞いてくださり、未熟な私たちを親として育ててくださったのも先生方とこの幼稚園でした。

4月から、子どもたちはそれぞれの小学校に進学します。そして大きくなり、いつか家族や町や国、世界を作り、動かしていくことでしょう。人は一人で生きていくのではなく、人と繋がり、社会を形成し、助け合ってよりよく、楽しく生きていくものだということ。その原初的体験を、子どもたちはこの幼稚園で与えられ、親子共々心のどこかで感じながら成長できたように思います。茅渟の浦幼稚園でのかけがえのない友達との出会いや思い出、また先生方のご指導は今後必ず子供達の支えになることでしょう。

本日、無事にこの日を迎えられましたのは温かくこどもたちを見守ってくださった理事長先生、園長先生をはじめ、諸先生がた、そして子どもたちに関わってくださった職員の皆様方のおかげです。本当にありがとうございました。

最後になりますが、伝統ある茅渟の浦幼稚園の今後のますますのご発展を祈念いたしまして、お礼の言葉とさせていただきます。

令和5年3月16日 卒園児 保護者代表 ・・・・