“本”好きの子供を育てるには

お父さんお母さんは読書が好きですか。きっと、大好きとおっしゃる方は、今でも暇を見つけてはいつも本を読んでいらっしゃると思います。逆に、余り好きでないと思っていらっしゃる方は何か月も、いや、何年も読まれたことがないのではないかと思います。

何故このように両極端なのでしょうか。それは、読書好きな方は楽しくてしょうがないから本を読むことが苦痛でも何でもないのです。時間もかかりません。ところが、子供の頃から余り読書の好きでない方は、なかなか本の中に入っていけないし、時間のかかることですから苦痛なのです。それよりもテレビの方が手っ取り早く楽しめますから、本にはなかなか手がのびません。そのどちらの方であっても、わが子が本好きで読書力のある子供に育って欲しいと願っていらっしゃることと思います。しかし、現実は必ずしも親の期待通りに本好きな子供に育つとは限りません。どこでどう違ってくるのでしょうか。

●楽しいことが最大の条件です

子供は、楽しいことには親から指示されなくても、自らやろうとします。日が暮れるまで夢中になって遊ぶのも楽しいからなのです。親がやめなさいといってもなかなか聞きません。楽しくて仕方がないからなのです。同じように、読書好きな子に、「早く寝なさい」といっても、本を読むのをなかなかやめません。楽しくて仕方がないし、興味津々で読んでいますから読み終るまで寝ないのです。つまり一口でいうと、幼児の時から絵本の楽しさをたくさん経験している子ほど、読書の好きな子になると言えます。

ところが、幼児の時から絵本をいっぱい読んでもらったのに、読書が嫌いだという子がたくさんいます。何故でしょう。その原因が一番大きいのが、親の方が絵本を教科書のように「知識が増える。ためになる」と、教育のためにと考えて読んであげていることに起因しています。絵本を読んで早く文字を覚えさせようとか、早く自分で読めるようにしようとか、あるいは、感想を求めたり、しつけに使ったりすることが絵本嫌いにさせ、読書嫌いにさせているのです。絵本でつらい目にあったり、嫌な思いをしたりした子は、絵本好きにも読書好きにもなりません。あそびが楽しいのと同じように、絵本も楽しいと感じることが大切なのです。そのためには、教育しようという気持ちを棄てて、親も楽しみながら読んであげてください。親に読んでもらうから嬉しいのです。大好きなお父さんやお母さんに読んでもらうから余計に楽しいのです。