故郷(ふるさと)(平成9年度)平成10年1月
新年あけましておめでとうございます。年末年始といかがお過ごしでしたか。田舎のおじいちゃん、おばあちゃんのところに帰省された方や、旅行された方、寝正月と決め込んでゆっくりと休養を取られた方、逆に、お客さん続きで楽しくも疲れてしまったと言われる方、等々、それぞれのお正月を迎えられたことと思います。
年末年始は、帰省とそのUターンで、新幹線も高速道路も混雑していましたが、みなそれぞれに故郷があるのだと改めて感じています。お父さんお母さんの故郷はどこですか。三次で生まれ三次で育ったという方もいらっしゃれば、大阪や東京、九州や北海道、あるいは外国で育ったという方もいらっしゃることと思います。
どなたにも故郷があります。故郷にはいろいろな想い出があり、大方の人は歳をとるほどになつかしさが増してくるものです。おじいさんやおばあさんのこと、お父さんやお母さんのこと、一緒に遊んだ友達やその街角や山河のこと、お祭りやとんど等の行事のこと、学校のこと、等々、いろいろなことが走馬灯のように浮かんできます。そのようななつかしさは、いろいろな想い出によるものですが、そのような環境が、自分自身を育み、その人の人間形成に重要な役割を担い、今の自分の性格や思考の基礎は、この時の経験や環境により大きな影響を受けているので、余計になつかしさを感じるのではないかと思います。
そして、お父さんやお母さんの故郷がどこであれ、子供たちの故郷は、今育っているこの三次なのです。私たち大人を育んでくれた故郷があるように、子供たちを育んでくれる故郷は三次なのです。その子供たちに、大人になっても、すばらしい故郷であるためには、友達や地域の人たちとの関わりや行事への参加、自然との関わりを積極的に深めてやりたいものです。特に、地域の人たちとの関わりを多く経験することは、自律心と責任感のある子供にと成長させてくれます。学校と家庭だけでは子供は順調に育たないのです。
次の頁の「畦道」は、昨年記した、冊子「歳時記」の原稿です。私の故郷への思いを感じて戴ければ幸いです。
1998年1月8日 4:15 PM | カテゴリー:白髪せんせいのつぶやき | 投稿者名:ad-mcolumn