夏休み(平成9年度)8月
さくら組の子供たちが、7月17日に、三原町のかじか園から招待されて、鮎のつかみ取りに行きました。逃げ回る鮎を捕まえるのに悪戦苦闘です。それでもやはり、大勢の子供たちに、さすがの鮎もだんだんと捕まっていきました。100匹の鮎をほとんど捕り終えて、みんなが水着を着替えている間も、数匹残った鮎を、諦めず最後まで捕っている女の子2人と男の子が1人います。子供たちが水から上がって池が広くなっていますから、すばやく逃げ回ります。それでも、最後の一匹を捕えるまで納得できないようです。こうして全部捕まえて、早速、塩焼にしてもらって食べましたが、好き嫌いするかと思えば、おいしい、おいしいといいながら、全員、ぺろりとたいらげてしまいました。しかも、お腹の苦いところもほとんどの子が食べているのです。自分たちの捕った楽しさが、苦手なものまでも食べさせてくれているのです。
いよいよ夏休みに入ります。お父さんお母さんも、夏休みといえば、子供の頃を一番なつかしく思い出せる季節ではないでしょうか。夏休みの思い出が一杯あるということは、子供にとっては、それほど魅力的なことが多いのです。
山や川、海や空。虫や魚や星達が子供たちを魅了してくれます。いつもお話しているように、子供たちは具体的・直接的な体験を通して大きく成長していきます。自分が興味を持ったことに夢中になります。夢中になることがすばらしいのです。夢中になることによって、集中力や意欲、思考力など、いろいろなことを獲得していくのです。夏の自然は子供たちの好奇心をしっかりと刺激してくれます。子供たちがこの夏休みにいろいろなことを体験してくれることを願っています。
皆さんの子供の頃はいかがでしたか。おじいちゃん、おばあちゃんの家に泊まりにいったことも、溝や川で魚を捕ったことも、畦道や原っぱでトンボやバッタを捕ったことも、スイカを食べたり花火をしたことも、海や川で泳いだことも、大人になっても、その時の情景は、はっきりと甦ってきます。このような経験が子供の豊かな心を育んでくれているのです。今は、子供たちの遊びの集団が無くなっていますので、親の方が意識的に経験させてやることがとても大切になってきます。しっかりと遊ばせてやって下さい。
ところで、休みになると、夜ふかしも多くなり、子供たちの生活のリズムが狂いがちになりますが、睡眠の時間はしっかりと取ってやって下さい。昼寝も暑さに負けないためにはとても大切です。
この睡眠のことに触れておきます。最近の子供たちの「宵っぱり」が増えているという日本小児保健協会の報告が有ります。1歳から6歳児の就寝時間は、9時に寝るというのが3割で一番多く、全体の半分近くが9時台に寝るというのです。そして、10時以降に寝るという子供が3割もいます。この10年間の比較でも、かなりの割合で増えてきて、子供の生活が、「夜型」に移行してきているのです。
子供の「夜型」の原因について、国民全体の生活が、母親を含め、「夜型」に移行し、子供がその影響を受けていると指摘しています。しかも年齢が低いほど「夜型」の割合が多くなっているのです。
この、子供の「夜型」の生活が、幼稚園や保育所での生活にも影響し、「午前中は調子がでない」、「昼食事になっても食欲がない」と、保育の現場でいわれていたことが、調査でも明らかになったと報告しています。
子供たちの意欲や集中力にも大きく影響してきているのです。このことも考えて、夏休みを楽しいものにして下さい。
もう一つの気になる報告を紹介しておきます。小児循環器学会の中での報告で、5歳児を対象の調査で、肥満、高血圧、動脈硬化傾向、血中の高濃度のコレステロ-ルなどがみられ、4人に1人が成人病予備軍になっているというのです。従来、このような状況は、小・中学生にみられていたが、今後は、幼児からの予防が必要だというのです。そして、「親が栄養のバランスや、カロリ-過多にもっと注意を払い、運動不足にならないよう子供を十分遊ばせるべきだ」と報告しています。このことも、参考にしていただいて、子供たちの健康に気をつけてやって下さい。
1997年8月8日 2:45 PM | カテゴリー:白髪せんせいのつぶやき | 投稿者名:ad-mcolumn