ニューノーマル

これからの社会では、前回までに紹介したような、様々な変化が起きるようになります。そのような世の中で「ニューノーマル」ということが様々な領域で使われています。これは教育分野においてもどうようで、これまで「ノーマル」とは考えられなかったものが急速な社会変化に伴って「ニュー・ノーマル」となったことが想定されています。そして、この教育分野における「ニュー・ノーマル」では伝統的な教育と比較すると8つの異なる違いが見られるそうです。

 

8つの違いの内、一つ目は「教育の制度をエコシステム(生態系)の視点からとらえる」ということです。このエコシステムとして捉えるということですが、これまで教育は教育制度を単体として考えられがちでありました。しかし、教育は社会にも通じたものであり、経済のあり方や技術革新の進展、グローバル化などにも関連しています。つまり、教育をそれ単体での要素として切り離すのではなく、教育自体もエコシステムにおける一つの要素と位置付けることで、より広い視点からとらえるということが必要になってくると考えられるのです。ここで例に挙げられているのは家庭のあり方、国民の意識、経済や財政の状況、都市化や過疎化の進行など、様々な要因をふまえた上で、教育制度について考える必要があるといっています

 

このことは教育や保育を行う上で、意識しなければいけないことかなと思います。私もあまりこういった社会と保育をつなげて考えるということを考えたこともなかったですが、これからの社会を作っていく人材を育成するというのは教育基本法にも書かれている通り、大きな目的ともなっています。また、成績や学歴というものが未だに重視されているということは社会での必要とされる力が未だに成績や学歴であると意識されているからではないかと思います。実際、就職に重視されるのは筆記や学歴ではなく、面接であったりすると聞きます。いくら学歴が高くとも、人との関わりやコミュニケーションが取れないと、新しい価値を見出すことやイノベーションを起こしていくことにはつながりません。そのため、学歴や成績では測れない部分が多分に出てくるのだろうと思います。そして、その部分こそがこれまでにもあったような「非認知スキル」といった数値によって測ることが出来ない力であると思います。こういった能力を教育や保育の中で考えていくためには、それが一体どのような力で社会に通じた力であるのかという事を意識されていなければいけません。こういった意味において、教育に携わるものはもともとある目的というものをしっかりと見据える必要があるのだろうと思います。