合作活動を振り返り…

合作活動を振り返り、今先生たちが思うことを合作への取り組みとあわせてご紹介します。お子様のお話しとあわせてお楽しみください。

作品展当日の全体説明より

 幼稚園の園庭が一晩で驚きの変化をしていたら…。
 考えるだけでもワクワクするような出来事が起こりました。台風15号、19号の影響もあってか、今年は例年になく園庭の木々が葉を落とすのが早い年でした。そして10月21日(月)それは起こりました。幼稚園入り口に近いケヤキの木が一晩でほぼ全ての葉を落とし、小学校からの落ち葉も加わったのでしょうか、園庭一面を落ち葉が覆いつくしていたのです。出勤した職員は皆驚き、その後に登園してきた子ども達からも大きな歓声が上がるほどの光景でした。

 純粋に落ち葉と触れ合うことに喜びを感じている子ども達からは様々なオノマトペ(※)が聞こえてきました。
※オノマトペ・・・擬音語・擬声語・擬態語を包括的にいう言葉
         ものの音や声などをまねた擬声語(ざあざあ、じょきじょき
         など)、あるいは状態などをまねた擬態語(てきぱき、きら
         きらなど)をさすことば。

 落ち葉を踏みしめた瞬間に子ども達が発する『フカフカ』『カサカサ』といった様々な言葉。落ち葉に埋もれたり投げ上げたりした時に発した『ばさぁ~あ』『ひらひら…』といった言葉。教師はこの子ども達の『感覚を表現した言葉』に注目しました。文章では表現しきれない『こころ』がそこには表れていたと考えたのです。
 山にした落ち葉に身をゆだねたり、船型の滑り台一杯に落ち葉を詰め込んだり、活動は日々継続していきました。そんな姿を大切にしたいと教師も落ち葉を頂きに鴨居中学校や不入斗公園へ足を運んだり、保護者の方から頂いた情報をもとに防衛大学校で落ち葉を頂いたりと環境づくりのバックアップを続けてきました。

 今回の合作は、そんな園庭での活動が表現されています。遊びの中からどんなオノマトペ(※)が聞こえてくるでしょうか子ども達が感じた感覚を思いながらご見学いただければ幸いです。

そしてこの経験がより豊かな五感の育ちに繋がってくれることを願っています。

台風から数日後の10月21日たくさんの落ち葉に感激した一日。今回合作で生まれた様々な思いはここからはじまりました。

翌日からは落ち葉に埋もれる・投げる・ごっこ遊びに繋がり、様々な物語が生まれていく…。
『あしたは葉っぱで何をしよう…』そんな思いが一人ひとりから聞こえてきました。

しかし落ち葉はずっとふかふかなわけではありません。次第に細かくちぎれ、フカフカな感覚は薄れていきます。
この活動をもっと続けさせてあげたい。そう考えた先生たちが取った行動は、近隣の学校や施設から落ち葉を集めて(頂いて)来ることでした。
鴨居中学校さん不入斗公園さん、鴨居小学校さんをはじめ、話を聞いた保護者の方が教えてくれた防衛大学校さんまで園バスを走らせる日々が続きました。
その甲斐もあり、次々に新しい遊びが生まれ季節を全身で楽しむ日々が続きました。

そんな中、制作への転機となったのが数日降り続いた雨でした。
落ち葉は水にぬれ、落ち葉で遊べない日が続きました。
『ホールの中でも葉っぱで遊べるといいのに…』そんな小さな声をきっかけにして、葉っぱに興味を持った子ども達が小さなコーナーで続けていた落ち葉づくりの遊びが広がっていきました。

※詳細は先に更新している合作お楽しみ情報1をご覧ください。

小さな動きが大きな動きに

11月中旬。はっぱを使った遊びで思い切り楽しんだことをホールに『表現』することに展開が広がっていった子ども達。
「ここはどうする?」
「こうしてみたらどう?」
『表現』の中には常に『たのしかったあそび』という体験が秘められています。

完成が近づくとホールには不思議な光景が広がります。幼稚園の園庭の隣に園庭が再現されているのです。登園し、制作を始める前にニコニコしながら仲間と作った作品の製作途中を嬉しそうに眺める子ども達。
きっと『もうすぐ…』そんな気持ちで作品を眺めていたのだと思います。
のんびりペースのグループに先生たちはハラハラすることもありました。それでも、子どもたちを信じようと見守ってきました。
私たちは、時には子どもの目線で仲間の一人として、時には、経験がある大人としてともに取り組んできました。

作品展まであと数日、子ども達から生まれた沢山のオノマトペは一つの形になりはじめました。
オノマトペについては合作お楽しみ情報その2で詳しく触れています。興味をお持ち頂いたら是非合わせてごらんください。

作品の完成

実質約10日間の製作活動を終え、作品展の前日。ホールには『できたー』の声が響いていました。グループごとに出来上がっていった作品。最後のグループも完成を迎え、それを仲間たちが待っていたように完成を喜び合いました。
そして年長さんが考えたこの合作のテーマが年中さん、年少さんに伝えられました。

令和元年度合作テーマ『ふわふわ パリパリ かさかさ はっぱいっぱいあそんじゃお!』

テーマを聞いた子ども達はテーマをそれぞれに口ずさみ、皆一様ににこやかな様子…。さあいよいよ作品展です。
自分たちが感じ取り、楽しさを十分に心に蓄えて表現してきた『あそび』を見に来てくれたご家族にどのように伝えてくれたでしょうか?
きっと、私たちが思っている以外にも心を込めた場所があったのではないでしょうか。

完成した作品を前に『今度みんなで滑ってみよう!』等もう次のことを考えている子ども達。私たち大人にとっては、一つの区切りである完成も、子ども達にとっては、一つの通過点でしかないようです。そんな子ども達の心を感じながら、作品展の当日を迎えることになった今年の合作活動でした。

子ども達が考えていた『今度は…』の様子は、次の更新をお楽しみにしてください。『合作を使った遊び』『後片付け』へと続いていくことでしょう。子ども達の生き生きとした姿にご期待ください。